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赤道付近の砂漠化ー日本で豪雨頻発の原因はエルニーニョだけじゃない

8月から9月にかけて 千葉や名古屋などで発生した集中豪雨。 まるで東南アジアかと思うような、 凄まじい豪雨による大規模な水害が、 立て続けに発生している。 ニュースでは、 「エルニーニョの影響で、温かく湿った空気が 連続して日本列島へ流れこんでいる」 と説明されるこの状況。 しかし、エルニーニョ現象というのは、 地球温暖化のせいで発生するようになったわけではなく、 昔からあるものだということを どれだけの人が知っているだろう。 エルニーニョというのは、 ぺルーの漁師たちがクリスマスの頃に 沖合の海面水温が高くなる現象を、 キリストの誕生になぞらえて呼んだことに 由来しているのだそう。 エルニーニョがなぜ発生するのか その明確な理由は分かっていないけれど、 地球温暖化が問題になるより、ずっと前から 存在していた現象であることは確かだ。 非常にわかりにくいのは、 なぜ、ペルー沖で海水温度が高くなると 東アジアで豪雨が発生するのかということ。 それは、風や海流の循環のシステムと 関係している。 ノーマルな状態では 大平洋の赤道付近では、地球の自転との関連で、 東から西へ向かう風、貿易風が吹いている。 この風に押されて、大平洋の赤道付近で暖められた 海面付近の暖かい海流は、西へ西へと運ばれていく。 そして、東から運ばれてきた 大量の温かい海水が集まるのが 大平洋の西側、インドネシア周辺の海域。 ここで温かい海水から上がった 大量の水蒸気が、上昇気流に乗って 積乱雲が発達する。 短時間に大量の激しい雨が ザーと降って、また青空が広がる。 これが私たちの知っている熱帯雨林気候。 ノーマルな循環。 ところが、エルニーニョが発生すると、 ペルー沖の温かい海流が、 西へ運ばれる循環が弱くなり、 ペルー沖で大雨を降らせてしまう。 一方で、温かい海流が運ばれてこなくなった インドネシア周辺では、 積乱雲を発達させる上昇気流の代わりに、 下降気流が強くなる。 上から下へ吹き付ける流れで、 海から上がった水蒸気は散らされてしまい 何日も雨が降らない乾燥が続き 赤道直下なのに雨が降らない という状態になる。 インドネシア周辺で降らなかった雨はどこへ行くのか? インドネシア周辺で、 積乱雲になれなかった 水蒸気を含む空気は、 大気の大きな循環の中で 別の地域へ移動していく。 インド洋の赤道付近で...

なぜ巨大汚職の真相はいつも闇に葬られるのか?「仁義なき戦い」と化した警察vs検察

都心の閑静な邸宅街の品格漂う重厚な建物 ダークトーンの木目や上品な照明の 高級感あふれるプレミアムな喫茶店。 奥の壁面のディスプレイの裏側には 隠し部屋、その奥には高さ2メートルもの 大型金庫。 警察はそのなかから、 672憶ルピア(約六億円) 相当の現金を押収した。 現場にはマネーチェンジャーも併設されており 喫茶店で受け渡された不正資金をそのまま 外貨に換金・送金することが出来る仕組み であったと考えられる。 そしてそれは、 家宅捜索の対象の 11カ所の うちのひとつに過ぎない。 警察は、郊外にある別宅の一つでも 埋め込み 型の 巨大金庫を見つけ、 さらに一桁多い 巨額の現金に加え、 74 kgに及ぶ金塊を 押収する。 これだけの金塊や現金が 一カ所にあつめられていたのでは、 世の中に回ってこないのも無理はな いのかもしれない。 まるで電気製品の倉庫かと思うほど 整然と並べられた札束の山。 この不景気な世の中で これだけの金塊や現金を保持する人物 この喫茶店・隠し金庫の持ち主は いったい誰なのか? じつは、その人物は、この家宅捜索が実施された 段階ではまだ、容疑者認定さえされていなかった。 本来ならば、警察は捜査令状を提示してから 踏み込むものだが、それがなかった という事実が、この捜査がいかに異例 なものだったのかを物語っている。 その人物とは、 「 司法検察庁、 特別犯罪担当次席検事総長」 国家規模の最重大犯罪や 超大型汚職事件を 専門に捜査・公訴提起する現役の 最高実務責任者 F。 これまでに巨大国家汚職を扱ってきた 大型汚職事件を捜査する 絶大な権限を持つ実務のトップだ。 そんな人物自らが、資金洗浄の場を 提供していたという司法の闇を、突然暴露した 警察側の意図は一体どこにあるのか? その答えは、この家宅捜索の直後に、 国軍が出動し、Fの自宅周辺の警護についたという 事実から見えてくる。 じつは、Fにとってこうした異例の事態は、 はじめてではなかった。 2年前にも、 ジャカルタの検察庁本部が 警察の特殊部隊に包囲されたことがあった。 そのとき、警察との間の緊張が頂点に達した際、 検察庁本部の警備を増強して後ろ盾となったのも 国軍だった。 二年前の警察と軍の対立の 引き金になったと考えられているのが、 「スズ鉱山国営企業を巡る巨額汚職事件」 長年にわたり地...

「昼食無料プログラム」政府の身勝手な政策ーしわ寄せに耐え切れない教員たちの訴訟 

インドネシア政府が推進する昼食無料プログラム 一時期は、配られた弁当の写真撮影や正直な感想を SNSで発信することさえタブーとされていたが、 先月、「国家栄養庁」の長官がついに、 汚職容疑で逮捕されたことで、 やっと批判してもいいという機運になってきている。 教育、福祉、地方への予算、あらゆる国家予算が削減され困窮する中で 巨額の予算があてられ優遇されてきた政策。 それをいいことに、用途不明の​電動バイク、タブレット端末、靴下、 などを次々と大量購入+予算の水増し。 調理センターの利権をめぐる賄賂、 存在しない架空の調理センターへの不当な支払い。 この長官の経歴は「昆虫の研究者」 栄養や食生活については完全に専門外の人物。 つまり、人選の時点でもう、なにか怪しいものがある。 実際、昆虫食を取りいれるという案も一時期あったけれど 強行するまでの勢いにはならなかった。 「インドネシアの昼食無料プログラムは、 世界的な計画のひとつだったのだ」 と説く人もいる。 しかし、はっきりしていることは 利権者が国家予算を合法的に手に入れる ための案件の一つとして 貧困者救済という名目のプログラムが 国家戦略として推進されていたということだ。 そもそも、わざわざ新しい調理センターなど 建てなくとも、どこの 学校にもすでに 学食(カンティン)が存在するのだから、 そこに補助金を支給すれば済む話。 選挙戦のときにも「もちろん小規模事業者を応援するものだ」 と力説していたはずだったが、 実施の段階では違っていた。 「協力者が自発的に自己資本で調理センターを建てている」 という体裁から始まり、次第に巨額の予算が 振り分けられていった。 一日あたり1兆ルピア(およそ100億円)が 消えていく。 ある専門家はそれは最先端の戦闘機を 一日一機買えるほどの莫大な浪費だと痛烈に批判した。 一食あたりの金額は15,000ルピア。 そのうち、調理センターの運営費が3000ルピア 2000ルピア相当が調理センター 業者の利益として懐に入る仕組み。 一人当たりの利益は微々たるものでも、 一カ所の調理センターで何千食分もの給食を 一括引受ければ、膨大な利益が生まれる。  調理センターを運営するのは、 政治家や官僚の親族・利権関係者。 議員、大統領の政党支持者。 一つの財団やグループが数十軒もの 調理セン...

礼拝の音量が上がるとき、社会で何が起きているのか?

礼拝所のスピーカー音量に関する 苦情は昔からあるけれど 最近、益々エスカレートしていて、 音量の大きさと、社会的不安は 比例しているのではないか? そんな風に思っている。 何年か前までは「もうそんな時間か」 ぐらいの受け止め方ですんでいた。 大音量は、礼拝所の近くに住む人たちの問題で、 同じ宗教だから苦情などないのだろう。 と思っていた。 住宅街の周りには、 まだまだ広い空き地があって、 礼拝所のスピーカーの声は その向こうから聞こえてくるものだ った。 住宅街の中にも礼拝所はあったが、 広場の一角にこぢんまりしたのが あるだけで、 スピーカーというのは、 大きな礼拝のときに、建物の中に 収容できない人たちのために あるものだと思っていた。 ところが、開発が進んで、 空き地がどんどん埋まっていき 人口が増えてくると事情は違ってくる。 住宅街の一画にあったこじんまりした礼拝所も いつの間にか建て替えられて、 アラブ風のタイル張りの巨大な建物が現れる。 そして建物の屋根よりさらに高いところに スピーカーを設置する塔があらわれた途端、 めまいをおぼえた。 礼拝所のスピーカーは、 誰のためのスピーカーなのか? 礼拝所の中に収容できない 人のためのものでなかったことは 間違いないようだ。 もう数年毎日、その音量に悩まされている。 もはや昔のような素朴な拡声器ではなく、 格段に高性能な機器になっている。 ともかく窓を閉めて、 家の中に籠る。 人によるのかもしれないが、 私は耳が痛くなる。 2区画も離れていてこれだ。 たまたま、礼拝所の広場のすぐ裏に住む 人の家で、礼拝の時間にその 音量を体験する機会があったが、 そのお宅と比べれば、 まだ軽度で済んでいると思わなければならない。 引っ越せばいい…と言われても 誰でもそう簡単に出来るものではない。 実際、礼拝所の近くは住宅の評価額も下がるが、 それでも苦情は言えない。 宗教大臣の定めたスピーカーの最大音量は100デシベル。 (長時間さらされると、聴覚にダメージを与えたり 難聴のリスクが高まる可能性があるレベル) さらに、外向きのスピーカーを使うのは 呼びかけだけで、礼拝中は 建物内のスピーカーを使用するよう 規定されている。 残念なことに、法律はあっても 取り締まりがないので、 外向きスピーカーを使うかどうか? どのくらいの音声に...

大渋滞から生まれた奇跡。インドネシア最大アプリGojek創業者に懲役27年求刑の悲劇

世界各国の配車アプリが基本的に「自家用車(4輪)」の シェアリングから普及していったのに対して、 インドネシアの配車アプリの普及は、 2輪バイクタクシーから始まった。 2018年アメリカの配車アプリウーバー社がインドネシアから 撤退した決定的な敗因も、バイクタクシー需要に遅れを とったことだったという。 慢性的な渋滞、日常の移動で車を利用する余裕のない層が 大多数を占めるという現状を重視し、 最初からバイクタクシーをメインにした 配車アプリをスタートアップさせた人物 それが、N氏 スマホなんて触ったこともない中高年のローカル運転手たちに、 スマホを無料で配り、操作方法やGPSの見方、 デジタルウォレットの使い方を一から教える というところから始めた。 N氏はハーバード大学、 マッキンゼー社経営コンサルタント生れも育ちもハイクラス。 そんな彼が、照り付ける太陽の下、汚れた空気 悪臭漂う路上で、たむろし、ただ客を待つ バイクタクシー(オジェック)たちの コミュニティに自ら飛び込み、 彼らの話を聞き信頼を勝ち取ることから スタートアップさせた配車アプリGojek Gojekのおかげで、それまでただ路上で客を待つしか、 収入を得る手段のなかったその日暮らしのオジェックたちの 生活も変わった。 決まった料金で、確実に客を得ることができるようになった。 客を乗せるだけでなく、バイク便としてのこれまでになかった 需要もアプリによって開拓され、家族を養っていく 自信を持てるようになった。 今思えば、あの頃はなんと希望に満ち溢れた時代だったのだろう。 2018年にアメリカの巨人ウーバーを撤退させたことで、 Gojekの価値は跳ね上がり、 翌2019年には評価額100億ドルを超えるインドネシア初の 「デカコーン企業」へと上り詰める。 N氏は、米ブルームバーグ誌の「世界を変える50人」 「シリコンバレーの巨人を打ち破ったアジアの若き天才」 として世界にも紹介され、注目を浴びる存在になった。 そして、再選を果たしたジョコウィ大統領が、 N氏を教育文化大臣として入閣させたのも、 その年だった。 三十歳代、史上最年少の大臣の誕生。 不透明、利権の塊、汚職の温床である教育機関に、 Gojekで奇跡的な合理化(デジタル化)を成功させたN氏が トップとして乗り込んできたのなら 「民間発のテクノロジー...

インドネシア財務大臣はなぜ「マラッカ海峡での課税」という暴論を口にしたのか?

「マラッカ海峡の通過船舶に課税できたら悪くない」 先月末インフラ金融シンポジウムでのインドネシア財務相の この発言は、対岸のマレーシア、シンガポールからは冷たく拒絶され、 国際メディアからも「孤立を招く自殺行為」と袋叩きに遭った。 後日、大臣は「本気ではない。国際法違反などするわけがない」 と釈明。 「ホルムズ海峡封鎖に着想を得て、 とんでもないことを言い出す高官が出てきた。」 というような論調で報道されていたと思うが、 じつは、連日報じられているマラッカ海峡を巡る ニュースを追ってみれば、 この発言が「単なる妄想から出た失言」というより、 じつは、実務派の財務大臣らしい 「痛烈な皮肉」だったということが見えてくる。 それはむしろ、失言というより、 失言の形を借りた「直言」 ホルムズ海峡封鎖の影響で マラッカ海峡に何が起こっているかを 見ていこう。 1.イランタンカー封鎖宣言 最近、米軍対イランの大きな動きは、 4月中旬に「​ イランの石油を運んでいる疑いのある タンカーを強制的に調べる。反抗すれば攻撃する」 というような内容の声明があったこと。 マラッカ海峡は、​2月末から続くホルムズ海峡封鎖の影響を受けて、 過密状態が続いており、世界で最も混雑する海峡になっている。 ホルムズ海峡が封鎖されていても、イランの石油のいくらかは、 パイプラインを通して、海峡の外側にある港から、 夜の闇にまぎれ発信機を切り、インド外洋を遠回りするなどして、 中国に石油を送り続けている。 そこで米軍はマラッカ海峡の入り口や周辺に強力な艦隊を配備して イランを出たタンカーを封鎖するという作戦に出ているという。 2.巨大艦船がマラッカ海峡通過 先日、米軍の艦船「ミゲル・キース」が マラッカ海峡を通過した。 国際法には、軍艦が国際海峡を通り過ぎるだけならば、 通行してよいことになっている。 とはいえ、軍艦が、本当に通過するだけなのか? 勝手に軍事的な活動を行わないかどうか? 監視するのは、通過される側の国の責任、 主権を守るための権利であり、国家としての義務となる。 対岸のマレーシア側でも、領海を通過する 米軍の艦船を、追走監視した。 ただシンガポールの場合は、状況が違ってくる。 シンガポールには、米軍が物流補給のために、 常駐・利用している基地がある。 太平洋を渡ってきた船艦は、ここで 給...

AIでシステム管理されたら子供たちはもう一度夢を持てるのか?

イーロンマスクがEV車製造業を縮小し、 農業や運送など単純労働用のロボット製造に切り替えている という記事を読んだ。 「人間よりロボットを多くする」 「単純労働をなくせば、貧困がなくせる」 そう言っている。 EV車需要が減退したことは 明るいニュースだと思っていたが、 今度はロボットなのか… 正直そう思った。 ​AIはPCやスマホの中の新しい機能として使う分には、 便利になったと喜んでいられるけれど、 このロボット化の話を聞いて思い浮かぶのは EVの二の舞になるんじゃないかということだ。 何年か前、6Gとか7Gとか、自動運転、自動手術 色んな夢のある話があふれていた。 でも現実的に、あの「EVバブル」が 私たちに残したものは何だったのか? 当時と今で大きく違うのは、 世界が深刻な不況の中にあるということだ。 あの頃は、政府が補助金を出したり、 理不尽なプジェクトや支援金のニュースが 常に物議を醸していた。 けれど、これだけ不景気な今、一体誰が わざわざAIロボットなんか大量購入するのか? そう思ってAIに問いかけてみると、 意外な答えが返ってきた。 政府に予算がなければ、巨大な資本を持つ テックジャイアント や、富裕層が、政府 に代わって 「インフラとしてのロボット」を 所有し始める。 そうなれば、政府さえも逆らえない 「私有化された統治」が始まり、 働く人たちは、さらに過酷な条件で絞られ、 それを訴える先さえなくなるというのだ。 この回答は、昨今の戦争が絶えない状況を考えると、 妙に腑に落ちるところがある。 権威を失った各国政府のかわりに大企業が 君臨し、ロボットを手先に世界を支配する。 映画の中で描かれてきた近未来の物語は、 単なるフィクションではなく、 私たちが向かおうとしている「管理社会」の 不気味な預言だったのではないか。 そんな恐怖が頭をよぎる。 そしてもうひとつ腑に落ちないことがある。 それは、AIについて議論するとき、 「ロボットの知能が暴走すること」 ばかりにフォーカスがあたる点だ。 AIが暴走するのが怖ろしいなら、 AIロボットを作るのはやめればいいだけじゃないのか? それなのに、何故「どうしてもやらなければならない課題」 として開発が急がれているのだろう。 イーロンマスクが言う「単純労働の代替」が実現すれば、 待っているのは失業者の爆増とそれに...

元大統領の学歴詐欺疑惑 ー検察の強引な捜査打ち切りと専門家の苦悩

例えば、アメリカのクライムサスペンスドラマ が好きな高校生が、捜査官に憧れたとして、 情報工学や犯罪心理学科などに進学したとする。 卒業後、期待したような職業が用意されている国が 世界中にどれだけあるだろうか? そんなことを考えてしまう。 2年前からずっと続いている ジョコ元大統領の 卒業証書偽造疑惑。 選挙運営委員会のWebサイト上に公開されていた 卒業証書が偽造だったという疑いは、 大統領の任期終了頃からソーシャルメディア上で、 急速に広まり、 数々の大事件の報道が続いても、 完全にはかき消されることなく 常に議論が続いてきた。 それは、卒業証書の紙質や文字体、署名、 印字方法、 そして使用された証明写真の 耳の形、唇の形、の分析から 本人でない可能性。 大統領選挙に二度も出て二度とも 圧勝し十年間国を代表していた人物、 その卒業証書が、安っぽい偽造だった というあり得ないような話。 それを、誰にでも分かるよう 分析、解説し、広めたのは、 情報や法律、政治の専門家の団結と活躍があった。 リスモン氏は、その中心 三人の人物の一人、 デジタルフォレンシックというのは 写真が加工された痕跡や署名、電子データ の履歴などを調査する分野で、 日本の山口大学工学部で博士号を取得した という学歴。 こういう学歴こそが、警察の捜査官にとって必要なのでは と思ってしまうが、 しかし、 常に、実際に起こっているのは、 研究者・専門家 vs 国家・警察という構図。 この議論の始まった当初から 選挙管理委員会は、公式Webサイトのページを 非公開にし、卒業証書を発行した 大学側も 即座に、記者会見を開いて 「ジョコ元大統領の卒業証書は間違いなく本物だ」 と宣言している。 そんな報道の度に議論は白熱する。 追及者側は「本物の卒業証書の提示」を求め、 政権側は、提示は出来ないと主張する。 そしてとうとう、国家警察は 「警察の特別捜査官の科学的検証で ジョコ元大統領の卒業証書は本物だと証明された」 と宣言し、捜査を打ち切ってしまった。 さらに、首都圏警察は、この疑惑を 追及しているこの専門家たち8人を、 名誉毀損罪、情報捏造、拡散の罪で、 立件した。 現在、この疑惑に対する追及については、 ジョコ元大統領が卒業したとされる 大学の卒業生一部の有志が起こした 訴訟だけが進行している。 その要求...

米・イスラエルのイラン攻撃 どうなるインドネシア8000人派兵の約束

米・イスラエル軍のイラン爆撃で ハメイ二氏が死亡。 そしてその日の夜のイランの報復開始。 ドバイの高級ホテルやイスラエルの首都に ミサイルが着弾した映像が世界を駆け巡った。 戦地になる場所とは別世界、安全だと信じられていた 大都市の真ん中が爆撃を受けて燃え上がっている。 怖ろしい時代の幕開けを思わせるかのような 報道だった。 インドネシアはほとんどの人口がイスラム教徒を占める国。 昔から、反米・反イスラエル感情が根強いことで知られている。 サウジアラビアといえば、巡礼の地メッカのある土地だが、 こういう時サウジに同情があつまるわけではない。 むしろ、米と同盟を組んだことへの、神の裁き、 だと語られる。  その一方で、イランは、「欧米からの干渉を受けない分、 進んだ軍事力を発展させることができたのだ」 「イスラムの誇り」や「反帝国主義」的な文脈で、 賞賛される。 「でもやはりアメリカには勝てないだろう」 という専門家の意見に対してさえ、 「アメリカの味方をするのか?」 と反発の声がかならずあがる。 インドネシアは、歴史的に、熱烈なパレスチナ支持。 サッカーの試合にさえ、イスラエル選手団の入国を拒否して、 国際大会の開催権を失ったこともあった。 そんなインドネシアが、今とても微妙な立場にある。 それは、トランプ大統領の平和維持委員会への参加。 平和維持委員会と言いながらも パレスチナ人を虐殺してる当事者 イスラエル大統領と席を並べる委員会。 しかも8000人の兵士をガザに送ることまで 約束している。 プラボゥオ大統領は、これまで、選挙活動の度に 「外国追い出せ!帝国主義反対!」 と力強く、勇ましく声を張り上げ、 主張してきたはずだが、 最近のこの、トランプ大統領の言いなり 「ポチ化」の態度に、国内では批判の声が高まっている。 オッケーガス! これは、プラボゥオ大統領が 選挙運動の時のキャッチフレーズ 交通違反なんか気にしないで、 アクセル踏んで乗客の要求に答えてくれる 気のいい乗り合いバスの運転手をイメージしたもの。 学校無料!医療無料!なんでもOK.OK.言ってきたが 大統領になったら、忘れたふり。 そして最近は、外交関係で、オッケーガス!をやっている。 今回のアメリカとの関係も、そんな感じで安請け合いしたんじゃないか。 雑誌の特集などでは、そんな皮肉をこめた...

ルピアに新興国市場から格下げの可能性 原因は政府の新しいファンド「ダナンタラ」?

1月末、世界の投資家が運用の目安にしている株価指数を 作っているMSCIという格付け機関が インドネシア市場に対して発した警告。 翌朝から、売りが殺到し一瞬で800億ドルが一瞬で消失。 あまりの売り注文の激しさに、インドネシア証券取引所は 一時的に売買を停止しなければならなかったほどの震撼。 これは、まさにアジア通貨危機以来だという。 株の売買に関わっていなくても、富裕層でなくても、 株を売り払ってドルに換えるという投資家の動きというものが、 こんなにもダイレクトに、通貨の下落に繋がるのだという恐れを 意識しないわけにはいかなくなってくる。 さらに予測されているのは株が下がる → 通貨が下がる → もっと不安になって株を売る」という、 止まらない負の連鎖が加速するのでは?ということ。 そして、どうやらその局面が5月に訪れることになりそうだ。 問題の核心は、インドネシア政府が、格付け機関からの警告に対し、 どう対応するのかどうかという点にある。 格付け機関から与えられた、改善の期限は今年の5月とされており、 それまでに信頼を回復するに値する是正が行われなければ、 インドネシア市場は、現在のエマージングマーケットから、 フロンティアマーケットに格下げされる可能性がある。 格下げされれば、資本流出はさらに一気に進み、 ルピア相場が20,000ルピア台まで一気に下落するのではないか ということが懸念されている。 通貨が下がれば、赤字財政は益々悪化し、 国の借金だって膨れ上がる。1998年に政権崩壊させたとき のような暴動やデモが起こる可能性 についても度々語られている。 それなのに、政府の前向きな姿勢は今のところ無しに等しい、 又は見当違いな振りをしているようにみえるのは何故だろう。 市場暴落を受けて、証券取引所の社長や金融監査庁の幹部ら 数人が辞任したことは、 所詮、責任逃れの首のすげ替えとしか評価されず、 何故かこのタイミングで、経験のない大統領の甥が、 中央銀行の総裁に就任する。 格付け会社が要求する改善とは、こういう縁故で固めた 不透明性な改善のことではないのだろうか? そして、格下げされないために、改善が避けられないのが 利益を生まない政策。 その核心になっているのが、昼食無料プログラム。 子供たちの栄養を満たす、という建前はあっても、 大統領と元大統領の支持者や...

驚くほど似てる「意図的な貧困」ベネズエラ崩壊からまなぶ 

2026年幕開け早々、ベネズエラの大統領が米軍に連行されるという衝撃的なニュースが世界を駆け巡った。以来、その是非や目的について激しい議論が続いているけれど、ここで注目したいのは、「 ベネズエラの通貨危機が世界的なニュースになったのは、10年も前の話だ」ということ。 この10年間、世界ではいくつもの政権交代や紛争、パンデミック、そして戦争があった。しかしベネズエラでは、あの悲惨な状況が改善されることなく、ずっと続いていた。その事実に暗澹とする。 どんな政府であれ、経済を破綻させて、国民の怒りが頂点に達するまで腐敗すれば、政権は入れかわるしかないだろう...という期待がある。でも、それはただの思い込みに過ぎない。じつは、腐敗したまま居座る可能性の方が高いのだ。 堅実路線から腐敗へ ベネズエラの国家破綻の原因は、よく、「石油資源への過度な依存」と「産業育成の失敗」が育成されなかったこととして説明される。しかし、その流れを見てみると、それは国民の怠慢や先見の明のなさというより「意図的に貧しくさせられていた」という実態が見えてくる。 1960年代から70年代、ベネズエラは中東情勢が不安定な中で、世界の石油供給を支え、南米でも指折りの生活水準を誇っていた。当時の政府は国営石油会社を設立し、外資と協力しながら技術者を育成するという、堅実な方針を掲げていた。 転機は1980年代の汚職と債務拡大、そしてIMF主導の緊縮財政。1989年、公共料金の引き上げに端を発した大規模暴動では、軍の投入により数千人ともいわれる犠牲者が出た。 そんな絶望の中で、腐敗政権打倒を掲げてクーデターを起したのが、 当時、中堅将校だったウゴ・チャベス。 クーデターに失敗して、投獄されたことで、かえって絶大な支持を獲得。 恩赦を受けて解放され、大統領選に出馬する。 仮面をかぶった独裁 1998年に圧倒的な支持で大統領に就任したチャベスは、憲法を改正して、大統領の任期を延ばし、連続再選できるように改正。二院制を一院制に。 司法や選挙管理委員会を自派で固め、石油公社の技術者も自派の軍人、収益は「社会福祉」に大量投入される。 貧困率の低下という成果があったとされているものの、その実情は 「無料より高いものはない」やはりそれは政治的な戦略に過ぎなかった。 ‐ 支持者への優先配分: 診療や住宅などの恩恵は、政権を支持...

被災から1カ月 海外支援を拒む政府と 白旗を掲げる被災者たち カオスは続く

 被災地で1週間経ちます…何も変わっていません。 子供たち、何も食べていないんです… 女性レポーターの声は震え、泣き崩れてしまった。 この映像は、CNNインドネシアの公式アカウントから配信されたもので、 フェイクや無許可映像ではない。 瞬く間に拡散され、そして、削除(テイクダウン)されたことで更に注目を集める。 #Reporter Cnn Menagis  di aceh 丁度それは「外国の支援は必要ない。インドネシアは自力で対処できる能力がある」と、 大統領自ら宣言して歩いていた直後のことだった。 日本列島がすっぽり収まる程の広さ、島の殆どが山と森林に覆われたスマトラ島は、 都市部を除いて洪水の被害とは無縁の島だと思われていた。 ところが、昨年11月末の1週間以上も続いた長 雨で、前代未聞の大規模な地滑りが、同時多発。 その範囲は3つの州、52の県、 日本列島でいえば、青森から兵庫県までにも相当するという。 広大なスマトラ島の北半分にも渡る広範囲で、川上から川下まで、地形が変わってしまうほどの大規模な、地すべりが数日の間に立て続けに発生した。 通常の災害であれば、発生後、3週間も経てば、救助活動から復興支援へとフェーズが移り、 食料供給などは安定し始めるはず。しかし、レポーターが目撃したのは、公式な避難所でさえ、飢えや赤痢で亡くなるお年寄りや子供たち。インスタントラーメンで食べつなぎ、泥水でも沸かして飲まざるをえない状況。 未だに百数十もの箇所で、橋や道路が遮断されたまま。 身を寄せられる避難所すらなく、高台にある個人の家や礼拝所など に身を寄せたままの人たちも多い。 突然また地滑りが発生するかどうか分からない 危険な山道を徒歩で往復し、 その日食べるものを探さ なければならないという毎日。 災害発生後なぜか、頻繁に外遊するようになった大統領が、行く先々で「自国で対処できる」として、海外からの支援は無用だと言って歩く一方で、 被災地では、 「自国政府でも外国からでも何でもいいから、ともかく助けてくれ」という意味の 「白い旗」が掲げられている。 全国の地方政府のまとめ役、T内務大臣は80トンの食料と医薬品をアチェ州に空輸したというが、アチェ州の知事は「全く受け取っていない」と答える。 内務大臣が送ったという物資は、実はその調達の時点からマークアップ...

従業員22名が亡くなったーテラドローン・インドネシア火災に重大な疑惑

日本の農林水産省の「東南アジアにおけるスマート農業の実証支援委託事業」に 採択されているテラドローン・インドネシアの本社ビルで、12月9日に火災が発生。 従業員100人規模のオフィスで、22人の従業員が死亡するという大惨事があった。 火災が発生したのは都心の住宅密集地帯、大通り沿いに立ち並ぶ、 隣と壁を共有する店舗街の一角。 収益を最大化しようと階数を増やしたり、道路側に迫り出したりという、 よくある改築の施された建物。 それでも安全基準条件が厳しくなるので4階建て以上にはしないのが普通だが、 この会社が入居していた建物は、周囲と比べても、 ひときわ高く目立つ7階建てだった。 火災が発生したのは、昼休み中。従業員の多くが建物の外に出ていた時。 爆発音があって、火事だ!火事だ!という声で火災の発生を知ったという。 火災の原因は、サービスカウンターとして使用されていた1階の倉庫に 置かれていたドローンのバッテリーからの出火と報道されている。 ニュースでは、灰色の煙に包まれ、屋上の鉄柵に張り付くようにして、 助けを待つ従業員たちの姿が写し出されていた。 この建物の出口は、火災発生現場の近くの扉一つだけ。 煙は建物の中央にある階段を伝って一瞬のうちに上階へと広がった。 非常階段も、スプリンクラーも、アラームもない中、 階段を上る途中で、有毒な煙を吸ってしまった人や、 はめ殺しの強化ガラスをなんとかたたき割ろうと試行錯誤しているうちに、 猛毒な煙を吸い込んでしまった人。 救助隊の証言によれば、被害者の殆どは、各階で窓の傍で 折り重なるようにして倒れていたという。 昼食の休憩の時間。外出しなかった、被害者の殆どが女性だった。 その中には妊娠7カ月の妊婦もいた。 さらに、単位取得のための研修をしていた大学生もいる。 ほとんどが20歳代だったというのも痛ましい。 大学を卒業しても働き先がないという慢性的な 就職難の中、テラドローン社のような、最先端のテック業界で働くことは 夢、憧れの実現であったことだろうに。 そんな有望な若者たちでさえ、スプリンクラーもアラームもない、 非常階段もない、ローテクな違法建築の犠牲者になってしまうという現実。 この会社は、オフィスについてはレンタルで、コストダウンを優先していたようだが、 扱う案件は、国家的な大プロジェクトとして力を入れている分野の大物...

【報道されない大災害】アチェ・スマトラ”超巨大同時多発地滑り”で村がいくつも消えた

​11月末に発生したアチェ・スマトラでの大洪水・地滑り災害のニュースは、 日本では「異常気象の激しさ」というカテゴリーでしか報道されていないようだが、 国内では「異常気象はきっかけに過ぎず、最大の原因は ”無秩序な森林開発にある”という議論が高まっている。 スマトラは、火山灰質の山を覆う熱帯雨林の森におおわれた崩れ易い地質。 これを天然の樹木の根が支えることで維持されてきた自然体系が、 ここ数年、急激に破壊されている。 パーム油農園への転用、鉱山開発... パーム油を原料としたバイオディーゼルは、 CO2 削減効果があるとして、地球温暖化対策の グリーンエネルギーとして注目されているが、 じつは、油ヤシの木は、天然の樹木とは全く違い、 根が浅い上に、水を大量に吸収する性質があり、 天然の樹木を切り倒した後、油ヤシを植えれば、 肥沃な土壌を、乾燥した不毛の地に変えてしまう。 それが分かっていたので、オランダの植民地政府さえ、 農園として切り開くことをしてこなかった土地だ。 ところが、ここ数年、政府は、国産のパーム油を原料とした バイオ燃料(バイオディーゼル)を、 ディーゼル燃料(軽油)に混合することを義務化する という政策を推進し、 その需要のおかげで(その前から森林破壊が問題になってはいたものの) 熱帯雨林の森のパーム農園への転用が激しく促進された。 スマトラ島は地図で見ると、そのほとんどが緑色だが、 じつは既にその7割がパーム農園や鉱山開発地に転用されてしまっている。 信じ難いのは、絶滅危惧種種スマトラ象の住む、国立自然公園、 ユネスコの世界遺産として認定されている森林にまで、 政府が開発許可を発行していることだ。 さらに、”違法伐採の取締りも機能していない” というよりむしろ、 ”反対派の住民や活動家を取り締まるために”機能している。 そんな、積もり積もった悪行。 ”近い将来、たいへんなことが起こる”という警告は、 何度もあったが、その甲斐もなく、 むしろ2025年に入って、政治的な意図が絡んだ利権分配の道具としての、 無秩序な伐採が加速していた。 法律では、切り開いてはいけないことになっている 山の上や川の傍で、大規模な伐採が(こっそり)行われていた。 このことは、 土砂に運ばれて、川に流れ込み、 麓の村を直撃した大量の木材が、切りそろえられ、 マーキングされ...

ジョコ政権下で進んだニッケル採掘の終焉?国軍演習で露呈した違法空港の闇 

中国政府のベルト・アンド・ロード構想の主要プロジェクトの一つ EV車のバッテリー用のニッケル採掘場となったスラウェシ島。 その中部には、その拠点である中国資本の巨大な工業団地 がある。 工業団地の中には、学校や病院があり、 数万人といわれる中国人労働者のための宿舎、発電所、病院、学校、警備まで 企業が一体運営、 ミニ都市状態。 インドネシア人労働者が作業中に事故があっても内部で処理され、 暴動が発生したときも、インドネシア警察は中には入れてもらえなかった。 問題が洩れないように管理され、警察も行政も全く立ち入ることのできない 実質的な”治外法権地帯” 10年前、圧倒的な支持を得て大統領に就任したジョコ大統領は 「鉱石をそのまま輸出すれば、外国の利益になるだけ」 として、鉱石の輸出を禁止、鉱物が欲しければ「インドネシア国内で 精錬して、現地人を雇え」という方針で、鉱物業界は大きく転換した。 しかし、その方針の結果、国内に精錬工場を建設したのは 中国資本ばかり。 政府は、工場法人税30年免除、物品税・輸入税の免除など 様々な優遇策、を提供し、ニッケル鉱山開発を 優先的な国家戦略プロジェクトとして推進した。 環境汚染というリスクを受け入れてでも 外資を呼び込むのだという政府の大義名分は 国内産業を育成すること、現地住民に雇用先を提供すること だった。 ところが、実際は大量の中国人現場作業員が就業し それが現地作業員との紛争の原因にもなっていた。 ”外国人労働者は、高度な技術者だけ”という約束だったはずが、 いつの間にかその人数は、数万人にも上る。 大量の中国人労働者は、どこから入国してくるのか? その謎が、最近になって明らかになった。 この工業団地のすぐ近くに空港があるが、 入管も通関もなしに運営されていたのだ。 このことは、11月末インドネシア国軍がこの空港近くで、 軍事演習を行ったことで明らかになった。 そのときの様子を一部始終を撮影した映像によると、 グリーンのライン、IMIP(工業団地の名前) と書かれた 飛行機が駐泊し、”プライベート空港”と書かれた看板が建っている。 #Bandara Ilegal di Morowali  この飛行機が、企業本社のある中国沿岸部の都市との間を往復し ビザなし、通関なしで、違法に作業員、おそらくは物資も ノーマークで運び...

財産没収?デノミにかける国民の期待とは

通貨の桁が多いインドネシアでは、最高額面の紙幣が10万ルピア。 これは、日本の円の感覚でいえば千円札が最高紙幣のようなもの。 20年くらい前、住み込みのお手伝いさんに支払う給料の相場は、 二十万ルピアくらいだった。でも現在はもう、それは日給程度にすぎない。 十万ルピア昔は1万円札ぐらいの価値があったけれど、 現在はもう円感覚の千円札と同じくらいしかない。 1000ルピア以下で買えるものなんてほぼないし、 1ルピアになったとしても表示が変わるだけなら 別に問題ないように思える。 膨大な「ゼロ」の数は旅行者でなくても紛らわしい 会社や銀行では特に、この桁数の多さが複雑な問題になっている。 日々の業務で使う簡易版と、正式な資料の二つを維持しなければならないことや、 データ容量が大きくなり速度やエラーの原因になったり、 桁数を維持するだけのための容量を維持するコストもかかるそうだ。 インドネシア中央銀行が、デノミの検討を提案し続けてきたというのも最もな話。 実務的な利点にとどまらず、国際的な取引の場では、 桁数の多い通貨は、”経済が遅れている”というネガティブなイメージがあり、 これを刷新し、 国際的な信用を上げるためにも、デノミを実施したいという。 ゼロの数が減ったという心理的効果によって、 特に家などの高額品の分野で消費を押し上げる一時的な経済効果も期待できるそう。 『デノミは資産没収と同じだ』などと言う人もいるけれど、 価値が変わるわけではなく、新しく発行されるお札の表示が変わるだけで、 新旧両方のお札の価値に合わせた価格提示が保証されるなら、 トルコリラやロシアルーブルのような経済成長につながる成功例もある。 失敗例で有名なのは、ベネズエラ。2008年から3回に渡って14桁を切り下げ。 日用品ひとつ買うにも、札束を積まなければならないほど下落した 通貨の価値を立て直すために行ったデノミが、益々信用を失うことにつながり、 さらに通貨価値が下落した。 ジンバブエの場合は、2008年に10桁、2009年には12桁を切り下げ、 それでもインフレが止まらず通貨停止。 こういう失敗例では、元々もうダメなところに デノミがさらに追い打ちをかけ”資産没収のようなもの”になる。 インドネシアでも、かつてデノミに失敗した経験がある。 それは、1965年、初代大統領の スカルノ政権下で、...

特殊詐欺拠点から110人脱出 監禁と暴力・東南アジアに拠点移動の実情とは

勤務先は「タイの観光地レストラン」と聞いていた。 ところが、空港に着くや否や目隠しをされ、バスに乗せられ、 着いたのはカンボジア国境付近の見知らぬ施設。 そこから先は、逃げ場のない監禁生活だった。 オンライン詐欺のノルマを課され、 殴る蹴るの暴行、電気ショック、そして「臓器を取るぞ」という脅し。 「海外就職」「高収入」「初心者歓迎ITの仕事」といった 言葉に誘われて 帰ることができなくなった生産世代。 どのくらいの被害者がいるのかということすら把握することが難しい。 オンライン上の犯罪は、法規制の行き届かない国に拠点を置くことが 有利だということで、カンボジア は世界的な詐欺組織の拠点となっている。 こういった組織は、国の政府要人と近い関係、警察も買収されているから、全く手出しができないのかというと、そうでもなく、ミャンマーなどと比べればまだ可能性がある。 シンガポールの場合は、自国民を標的にした詐欺事件が発覚すると、 現地カンボジア警察と共同捜査で、犯行組織を摘発している。 日本や韓国の警察も、同じように共同で捜査を頻繁に行っているとのこと。 捜査能力が高い国や、国際的な共同捜査を頻繁に行っている国は、被害者はいても、そうでない国によりも被害者数や被害額が抑制されているようだ。 そうでない国の例、インドネシア政府の発表によれば、カンボジア国内にいる インドネシア人労働者は推定で 8万人以上だという。 インドネシア 政府は、大変深刻な問題だとして外交的な交渉を続けているとのことだが、 いまひとつどうなっているのか。はっきりしない。 涙ながらに政府に助けを求める現地からの映像、虐待を受けている映像が、出回っているが本当に痛ましい限りだ。 # tki kamboja minta tolong 逃亡しようとすればさらに厳しい罰と報復があるだろうし、現地警察は組織と癒着しているから、警察が助けてくれるわけがない。 建物の中から長い棒を持った男たちがぞろぞろと出てきて、 Tシャツ短パンサンダル履きの全く無防備なひとを路上で袋叩きにしている映像をみた。 そんな光景は現地では、よくあることなのだという。 # wni kabur dari komplek penipuan 詐欺団地といわれる建物の中には、脱出を試みた労働者が閉じ込められる 独房もあるという。引き戻されれば見せし...

インドネシアジャカルタバンドゥン高速鉄道に責任追及の動き

”ルートの距離が短すぎる。短距離では高速鉄道は必要なく、既存の路線で十分です。利益よりも不利益が多くなるでしょう” ジャカルターバンドゥン高速鉄道プロジェクトが、経済的に非採算性が高く、また規制の要件を満たしていないとして、真っ先に反対意見を表明した、当時の運輸大臣イグナチウス・ジョナン氏。 その後、この案件は交通省ではなく、国有企業と中国の案件としてすすめられ、ジョナン氏は、2016年1月の起工式に出席しないことで反対の意志を示し、着工許可の発行に関しても基準を緩めないことなどにより、断固として反対した。 ジョナン大臣は、第一次ジョコ政権の大臣の中で、スシ漁業大臣と並んで国民に人気のあった人物。国営鉄道会社PT KAIのCEO時代に、会社の体質やサービスを劇的に改善させたことで知られ、誠実な人柄で知られていたが、やはりその通りだったと惜しまれながらも、半年後の閣僚改造でジョナン氏は運輸大臣から解任された。 ジョナン大臣が解任させられた後、大統領宮殿に呼び出された、公共政策アナリストのアグス・パンバギオ氏は、そのときの大統領との会話について次のように証言している。 「採算がとれません。国家に損害を与えることになるでしょう」と警告すると、大統領は「赤字にならないようにできるよ」「ハイテク技術だし、この国にとって必ず良いものになる。中国政府のサポートがある」 「このアイデアは誰からでたのですか?」と尋ねると、大統領ははっきりと 「これは私のアイデアだ」と答えたという。 周囲の意見を全く受け付けなかったジョコ大統領の当時の様子。さらに、複数の専門家がこの問題を取り上げ、発注金額が他の中国企業の海外での高速鉄道建設費と比較して、「3倍もの値段で計算されていた(水増し)されていたこと、費用が膨らんだ最大の要因となった ルート変更と土地収用費用の激増は、ジョコ大統領と近い関係にある企業家に利益をもたらしたことについても、議論されている。 これまで一部の批評家が追及するにすぎなかった、ジャカルタ―バンドゥン高速鉄道プロジェクトの巨額の負債に関するニュースにこれほど注目があつまっているのは、利息を含む負債の支払いがいよいよ本格化することから。 そんな中、来年度の予算会議では、プルバヤ財務大臣が、「債務返済について、政府がその責任を負うべきではない」原則を表明した。 プルバヤ氏という...