投稿

ラベル(歴史・文化)が付いた投稿を表示しています

【動画】遺体と暮らす謎の民族トラジャと日本人に共通の文化とは?

イメージ
  インドネシア、スラウェシ島のトラジャ族は、お葬式が盛大なこと、何年かに一度はミイラ化した遺体を家に運んで一緒に過ごすという珍しい慣習があることで有名です。でもなぜか現地にはトラジャ族は日本から来たのでは?という話もあります。1970年代に現地で”トアルコトラジャ”というコーヒーブランドを開発した日本企業の存在を鍵に、トラジャと日本、古代埋葬文化の共通点、トラジャ人が日本人の何処に共通するものを感じたのかということを探っていったら、納得の共通点をみつけました。 #トラジャコーヒー#トラジャ埋葬#ランブソロ #トンコナン #タウタウ #マネネ

熱中症対策に取り入れては?東南アジアの”清熱”飲料

中華系の食材店やレストランなどでよく見かける、ライチ、菊の花、冬瓜、胡瓜、など日本人にもわかる中国語と、ナチュラルなデザインのソフトドリンク 。マレーシアやシンガポールに行ったときはジャカルタよりももっと頻繁に見かけた。 ”清熱”とあるからスッキリさわやかな味だろうと思って早速試してみたら、甘すぎてスッキリするどころか却って喉が渇いて普通の水が飲みたくなってしまった。現地の消費者の好みに合わせたものだから缶入りのものが甘すぎるのは仕方ないけれど、こういう伝統的な飲み物が、暑い国で暮らす長い間の人々の生活の知恵から生まれたものであるということについては間違い。 そもそも日本人には、身体は温めた方がいいもので、からだの中の熱をとることが大切だという感覚がないので、こういう伝統的な清涼飲料って何のために飲むものなのかよくわからない。 漢方によれば、温めるだけでなくバランスを取ることが大事。喉の痛みや口内炎、夏バテのような症状は、身体の中に過剰な熱が溜まることで、炎症をおこしているためなので、清熱作用のあるものを摂取して、からだの中の熱をとるということが重要なのだそうだ。 ”清熱作用”を意識した伝統的な飲み物やデザートが数多いということは、東南アジア何処へ行ってもでも結構共通している。特に各地に散らばっている中華系民族の間では 共通の伝統的レシピが維持されている。 菊花茶など複数の薬草を煮出したお茶やこれを寒天で固めたもの、瓜や果物の他にも、黒もち米や大麦、白クラゲとか、ナツメやクコの実ハスの実など、乾物を煮出して砂糖で味付けするといったデザートが多い。 インドネシア現地発の”清熱ドリンク”はジャムウと呼ばれ、地方によってさまざまな自然の材料が薬として飲用されている。スーパーやコンビニ、全国どこでも売ってるもっともポピュラーなものでいうと、カキティガという謎の飲料がある。 水と同じ透明な液体、ボトルのデザインは、緑色のサイのイラスト。これではいったいどんな飲み物なのか、想像もつかないけれど、じつはこれは漢方の生薬である石膏のミネラル成分が主な成分で、これも清熱作用のために飲むものだ。 水よりものど越しが重い感じがするくらいで、基本、味も香りもないから、ソフトドリンクというより薬みたいな感じ。なんかのどが痛くなりそうだなというとき、喉が痛いとき、ペットボトル入りのものは特に水...

祭りか?迷惑か?東ジャワ発『ホレグ』爆音サウンドパレード

壁が揺れ、家の瓦が落ち、ガラスが割れる。赤ちゃんは大泣き、怒りっぽい人が増え、老人は具合が悪くなる。これはもう音楽ではなく災害。 東ジャワというところは、バリ島と海峡を隔てた、ジャワ島の東側。工業を中心とした小都市や農村が点在する、ぐっと生活感のあるところ。ここが、今話題になっている大音量スピーカーシステム、通称ホレグの本拠地になっている。 こちらで国民的な音楽といえば、ダンドゥット。アラブとインドの映画音楽を足したような強いバス音に、笛、押しの強い女性歌手の、セクシーで意味深な歌詞とダンスというのが特徴で、村の親睦会や結婚式などには、こういうステージを設けるのが定番。 でもこの地方では、馬鹿でかいスピーカーシステムとオペレーターのDJが流す、爆音リミックスというトレンドがある。ホレグというのは振動という意味で、まさに音が大きければ、大きいほど、スピーカーシステムも見た目も大きければ大きいほど、価値が上がる。 大型トラックを改造して積めるだけ積み上げたスピーカー。レーザーライトとか音に合わせて点滅するLEDのデコレーションも装着して、まるで大きなコンサートのステージがそのままやってきたみたいで、ソーシャルメディア映えもする。 大音量を鳴らしながらゆっくりと通過し、その後を、有志のダンスグループや一般市民の見物人がついていく。こういうのをローカルカーニバルという。 レンタル料金は1台30ジュタ(30万円)くらいからだそうで、独立記念日や大祭明けなど、村や地域で何かイベントをやろうという場合には予算の範囲だし、ご近所住民や仲間うちで、寄付を募って企画することも可能な範囲。 そんなトラックを十台以上も並べたイベント、ローカルフェスというのもあって、入場料が1万ルピア程度(100円程度)と安いこともあって、周囲の町や村から人が集まり、ひしめき合うほどの盛況ぶりになる。駐車場料やら、屋台での収入やらで、不景気な地方経済を活性化させる効果があるらしい。 こういうイベントが、パンデミックによる制限が解除された後あたりから現在に至るまで、頻繁に行われるようになり、地元ではその騒音が深刻な問題になっている。 国内の専門家は120デシベルならまだ大丈夫と言っているが、 WHOによると安全音量の目安は80デシベ ル。そして、問題になっているホレグサウンドスピーカーシステムの音量は130デ...

インドネシア式沈殿コーヒーの楽しみ方

レギュラーコーヒーは、挽き方とか煎り方とか産地だとか 色々あってよくわからない。 コーヒーメーカーどころかフィルターさえ面倒くさいから、 別にインスタントでいい。 インドネシア式の沈殿コーヒーは、そんな人をコーヒーツウに 目覚めさせてしまうかもしれない。 何せ、器具不要、フィルター不要。 インスタントコーヒーと同じように、 コーヒー粉末をカップに入れてお湯を注ぐだけという 世界一手軽に飲めるコーヒーだ。 沈殿式コーヒーのトップブランド 赤と黒のパッケージに船のマークで有名な カパルアピコーヒーの創業話によると、 1920年代にスラバヤ港に移住してきた中国人の兄弟が、 現地の人たちのコーヒー好きなことに驚き、 船の乗組員向けに、独自 のブレンドでお湯を注ぐだけで飲める コーヒー粉を 一杯分ずつ紙に包んで提供したのが始まりだったそうな。 この一杯分の個包装タイプの沈殿コーヒーは 現在でも、コーヒーの基本、庶民の飲み物になっている。 家の軒先を利用した、よく見かける日用雑貨屋さん(ワルン) で一袋買って、お湯を注いでもらって その場で飲むというのが昔からのスタイルで、 建設現場や道端でも、ポットとコーヒーサセットを持って 自転車で売り歩く人を必ず見かける。 疲労回復や、眠気覚まし、集中したいとき、 缶コーヒー感覚で立ち寄る庶民の飲み物。 スーパーで買えば、一杯分の個包装のコーヒーは 一袋3千ルピアぐらいで買える(30円ぐらい?) 最安で飲めるレギュラーコーヒーといえばこれ。 勿論、最近はコンビニコーヒーとかスターバックスコーヒー みたいなちゃんと機械で淹れたコーヒーもあるけれど、 それはまたランクが別という感じで。 淹れ方や入れ物には差があるけど、 どちらもレギュラーコーヒーだし満足度や効果としては そんなに差がないはず。 ネスカフェというブランドのインスタントコーヒーの 個包装タイプもあるけれど、 こちらで、コーヒーといえば基本、沈殿コーヒー レギュラーコーヒーを先に飲み慣れている人が インスタントコーヒーに乗り換えるということは あまりない。 でもあまり頻繁に飲むのは 身体に悪そうだし、 たまに飲むくらいにしないと身体にカフェインが溜まりすぎると コーヒーを飲む効果も薄れてしまう。 そこで沈殿コーヒーを楽しむなら、 カパルアピコーヒーのような個包装タイプがおすすめだ ...

一夫多妻は合法なのか?スカルノ大統領の妻遍歴

イメージ
最近、日本人の元夫人が政党を立ち上げたとかでよくその名前を見かける。ステイタスとか、 お金持ちとか、大多数の人が受け入れやすい考え方なのかもしれないけれど、情報が少ないからといって資源が豊かで 裕福な国のイケメン大統領であったかのように解説されるのには違和感を感じざるをえない。 スカルノ大統領は、独立運動の指導者としては偉大な功績を残したが、独立した後の国家元首としてどうだったかというと疑問符がつく大統領だ。経済は困窮、外交は孤立、汚職が蔓延が向けれられるも、反対する者を排除し、終身大統領を認めさせて権力を維持するなど、特に晩年の闇は深い。 宗教的には多妻婚が可能といっても、最高4人までという制限があり、さらに先に娶った妻から許可を得ること、全ての妻を平等に扱わなければならないという条件がある。現代の社会的認識からすると、 全ての妻と平等に接することは無理であることを自覚し、1人の妻にとどまれという教訓なのだという解釈が的を得ているように思うが、 経済的に可能なら4人までは合法という考え方がまだまだ根強い。 合法といってもそれは宗教上の結婚が許されるだけであって、戸籍上の妻はやはり1人しか登録できない。一般的にいって十分な経済力が必須であり、社会的立場のある人物であればなおさら、そのことで評判を落とさないようにしなければならない。 スカルノ大統領は、合計9人(独立運動家時代に3度、大統領在位中に6人)の妻を娶ったとして知られているが、国のリーダーとして模範となるべき大統領の多妻婚が、自動的に国民から祝福されていたわけでは決してなく、常に社会的、宗教的、道徳的、法律的な批判と困惑が伴っていた。 スカルノ大統領の最初の結婚は20歳の時、周囲が決めた恩師の娘との結婚で、相手はまだ十代半ばだった。大学生のスカルノが妻と一緒に住んでいた下宿屋のおかみさんが、二番目の妻となるインギット夫人。 結婚したばかりの幼い妻と上手くいかない悩みごとを聞いてもらっているうちに愛が芽生えたという。お互いが離婚手続きを済ませてからの結婚。 13歳も歳上の妻と暮らしたこの期間、スカルノは活動家として頭角を現し、植民地政府に逮捕され離島で暮らした時にも献身的に彼を支えたことで知られている。 しかし、40歳を過ぎたスカルノは、生徒として夫婦の家の寄宿していた少女、支持者の娘ファトマワティにプロポーズ...

バティック幾何学模様の深い意味

イメージ
ろうけつ染めならではの、味のある線で描かれたひし形の真ん中に、規則正しくボタンのように描かれた小さい絵柄。卵、さなぎ、蝶々、といった成長の変化の過程の象徴が繰り返し描かれるデザインは、結婚や出産、卒業、就職など、人生の重要な節目、特に新しい門出を祝う際に着用されるシドムクティと呼ばれる。 それらを囲む四角や丸の単純な線で描かれた幾何学模様は、秩序と安定を表し。蝶々が成長するまでのプロセスが、安定して秩序ある中で行われるようにという願いが込められている。また、図形の内側いっぱいではなく、余白をとって控えめに絵柄が配置されていることにも重要な意味がある。 それは、安定の中にいても奢り高ぶらず、謙虚に忍耐強くプロセスを進みなさいという励まし。 ヤシの実など殻が固く中に空洞のある果実が重なる円形の幾何学模様は、カウンと呼ばれる。円形は人間の一生を表し、固い殻は、自分を守り育ててくれた恩を忘れてはならないという戒め、果実の内側に空洞があるのは、偏った意見や欲望に振り回されることなく、心を空しくして中立であれという意味。 mengenal-filosofi-dari-motif-motif-batik-khas-nusantara インドネシアの観光省のホームぺージで紹介されている伝統文化、バティックのデザインについての説明を読んでみたらとても奥が深かった。 元々は王族だけが着用するものであったバテイックが、一般人にも着用されるようになったのは、オランダ植民地統治時代から。伝統衣装として、腰に巻く一枚布として使用されるものであったバティックを現代的にアレンジした、バティックシャツ。ネクタイと同等またはそれ以上のフォーマルな服装として通用するようになったのは、インドネシアの独立・民族主義運動に関係がある。 オランダ人が、権力者の象徴として白いシャツを好んで着用していたのに対抗して、最下層階級として扱われていたインドネシア人が、西洋に同化しない心意気を表すために、知識人や学生たちが、率先してバティックのシャツを着用した。この伝統は、独立を達成した時にも引き継がれている。 現代は、キャビンアテンダントやレストラン店員のユニフォームになったりもしているけれど、一般的には式典や結婚式、会社勤めでもバティック着用が必要な機会は多々ある。また、小学生の頃から、どの学校でも週に一度のバティック...

大人目線で海外から考察するアニメナルトにみる日本

 海外で大人気の日本のアニメナルト。天皇陛下のインドネシア訪問の際にも、陛下がジョークのネタにしたことで話題になった。そこで、アニメナルトが、インドネシアの若い子たちに人気がある理由は何なのか色々読んでみたところ、”一生懸命にやれば夢が叶えられるところが好き”というあまりに素直な答えばかりであまり深堀りはできなかった。 ただ、論理的な分析力で人気の教育系YoutuberのG先生(本職は学校の先生)が、とても興味深い異色な考察をしていたのを見つけたので、そちらの方をざっと紹介してみたい。 日本のアニメには、幼い頃の悲惨な経験から始まるものが多い。主人公ナルトは幼い頃のけ者にされたことから、トップ忍者になって自分の存在を認めさせることを夢としている。またそのライバル役サスケも、一族を皆殺しにした兄への復讐の思いがある。 G先生は、これらの憎しみを燃やすことを燃料にして成長していく少年たちの姿を、ペリー来航以降の日本の近代史になぞらえる。誇り高い独立を破り、無理やり開国させられた屈辱。そのせいで260年も続いた江戸幕府まで崩壊してしまった。誇りを取り戻すため、急速に経済をさせざるを得なかった第一次大戦前後。 その精神は第二次世界大戦の敗戦後も失われていなかった。急速な復興と経済成長期、しかし70年代、80年代の絶頂期のあたりから、失速してしまった。親たちの世代は、ゼロからはじめて豊かになったことを誇りにし、子供たちにも同じようにやりなさいと教えたが、もう燃やす燃料がない。 そんな世代から生まれたアニメのストーリーでも、前述の日本人特有の精神の枠組みは登場人物の思考パターンに根強く残っていることがわかる。それと、燃やす燃料のないという現実の間のギャップ、それこそ現在の日本人が抱えるストレスなどの様々な問題、そして経済成長の鈍化につながっているのではないか。 そして、G先生は、イスラム教徒としての教えも引用し、”憎しみを抱きつづけることは決して良い結果をもたらさないことの見本として日本のアニメから学ぶ必要がある” と結論付け、日本人の抱える問題が増々悪い方に向かわないように祈ろうという視聴者に呼びかけるという内容のトークだった。 ひと昔前、世界のヒーローとして君臨していたスーパーマンやバットマンの時は、アクションやユニフォームのカッコよさと一緒に”正義のための暴力の正...

国の中の国 今だから明かされるテロリスト地下組織の存在 ーアルザイトゥン寄宿制学校の謎

 ”教えで禁止されてる飲酒が、国の法律で禁じていないなんておかしくないか”などと質問し、理論攻めにした後、ちょっとした役職でも与えてやれば、出来の悪い学生なんかは簡単に勧誘することができる” 最初は、宗教の話などせず、相手の趣味や好みに話を合わせて近づき、女性メンバーを使うこともあったという。 これはバリのナイトクラブやジャカルタ欧米系のホテルや大使館の爆弾テロ事件が頻発していた2000年代に、テロ組織のリクルーターとして活動していたK氏の談。彼が活躍していた組織は、第二次世界大戦後の対オランダ独立戦争の時に活躍した義兵団の一つ。インドネシアイスラム国の建国を宣言し、政府軍との十年あまり戦闘していた歴史がある。 月と星の白抜きのある赤白二色の旗、独自の憲法を定め、組織内の大統領や大臣、その下に農業部、経済部、などがある。そして一時期勢力下に入れた各地域を番号で呼ぶ。それぞれ州・郡・町レベルの長があり、そして一般の支持者のことを”国民”とよんでいるという。 かつて彼らが拠点としていたのが、西・南スマトラ、西ジャワ地方は、現在でも、キリスト教徒の礼拝が妨害されたり、教会の建設許可だけ下りなかったり、女性の服装に厳しかったり、集団襲撃事件が発生したり、ということが問題になる地域と重なっている。 K氏によれば、国民になったら先ず喜捨を勧めて財産をささげさせる。財産のない者は、組織的な強盗の実行員として利用する。擁護施設や寄宿制学校を設立させて行政からの支援金を得る方法を伝授する(最近では、強盗よりも目立たず、効率が良いということで、支援金を得るビジネスの方に力を入れているという)他にも、全国に設置された寄付金箱の管理など(テロ活動のための資金に流用されていた?)そして、国を建てるという理想を実現させるためであれば、ハラール(神様に許されている)だと教え、インドネシアイスラム国だけが私の国と誓わせるという。 ”母さんはカフィールなんだから私の服に触らないでと怒り出した娘が洗ったばかりの服を焼いてしまった”という話は、アジアで一番の規模と設備を誇る一貫校寄宿制学校アルザイトゥン。現在様々な内部事情が暴露されているが、ことの始まりは、礼拝にユダヤ教の歌や祈りが取り入れられているとか、女性が最前列にいるということで、地元の団体から訴えられたこと。 インドネシアで一番の生産量...