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元大統領の学歴詐欺疑惑 ー続編ー 捜査打ち切りと分断圧力 専門家は生き残れるのか

例えば、アメリカのクライムサスペンスドラマ が好きな高校生が、捜査官に憧れたとして、 情報工学や犯罪心理学科などに進学したとする。 卒業後、期待したような職業が用意されている国が 世界中にどれだけあるだろうか? そんなことを考えてしまう。 2年前からずっと続いている ジョコ元大統領の 卒業証書偽造疑惑。 選挙運営委員会のWebサイト上に公開されていた 卒業証書が偽造だったという疑いは、 大統領の任期終了頃からソーシャルメディア上で、 急速に広まり、 数々の大事件の報道が続いても、 完全にはかき消されることなく 常に議論が続いてきた。 それは、卒業証書の紙質や文字体、署名、 印字方法、 そして使用された証明写真の 耳の形、唇の形、の分析から 本人でない可能性。 大統領選挙に二度も出て二度とも 圧勝し十年間国を代表していた人物、 その卒業証書が、安っぽい偽造だった というあり得ないような話。 それを、誰にでも分かるよう 分析、解説し、広めたのは、 情報や法律、政治の専門家の団結と活躍があった。 リスモン氏は、その中心 三人の人物の一人、 デジタルフォレンシックというのは 写真が加工された痕跡や署名、電子データ の履歴などを調査する分野で、 日本の山口大学工学部で博士号を取得した という学歴。 こういう学歴こそが、警察の捜査官にとって必要なのでは と思ってしまうが、 しかし、 常に、実際に起こっているのは、 研究者・専門家 vs 国家・警察という構図。 この議論の始まった当初から 選挙管理委員会は、公式Webサイトのページを 非公開にし、卒業証書を発行した 大学側も 即座に、記者会見を開いて 「ジョコ元大統領の卒業証書は間違いなく本物だ」 と宣言している。 そんな報道の度に議論は白熱する。 追及者側は「本物の卒業証書の提示」を求め、 政権側は、提示は出来ないと主張する。 そしてとうとう、国家警察は 「警察の特別捜査官の科学的検証で ジョコ元大統領の卒業証書は本物だと証明された」 と宣言し、捜査を打ち切ってしまった。 さらに、首都圏警察は、この疑惑を 追及しているこの専門家たち8人を、 名誉毀損罪、情報捏造、拡散の罪で、 立件した。 現在、この疑惑に対する追及については、 ジョコ元大統領が卒業したとされる 大学の卒業生一部の有志が起こした 訴訟だけが進行している。 その要求...

米・イスラエルのイラン攻撃 どうなるインドネシア8000人派兵の約束

米・イスラエル軍のイラン爆撃で ハメイ二氏が死亡。 そしてその日の夜のイランの報復開始。 ドバイの高級ホテルやイスラエルの首都に ミサイルが着弾した映像が世界を駆け巡った。 戦地になる場所とは別世界、安全だと信じられていた 大都市の真ん中が爆撃を受けて燃え上がっている。 怖ろしい時代の幕開けを思わせるかのような 報道だった。 インドネシアはほとんどの人口がイスラム教徒を占める国。 昔から、反米・反イスラエル感情が根強いことで知られている。 サウジアラビアといえば、巡礼の地メッカのある土地だが、 こういう時サウジに同情があつまるわけではない。 むしろ、米と同盟を組んだことへの、神の裁き、 だと語られる。  その一方で、イランは、「欧米からの干渉を受けない分、 進んだ軍事力を発展させることができたのだ」 「イスラムの誇り」や「反帝国主義」的な文脈で、 賞賛される。 「でもやはりアメリカには勝てないだろう」 という専門家の意見に対してさえ、 「アメリカの味方をするのか?」 と反発の声がかならずあがる。 インドネシアは、歴史的に、熱烈なパレスチナ支持。 サッカーの試合にさえ、イスラエル選手団の入国を拒否して、 国際大会の開催権を失ったこともあった。 そんなインドネシアが、今とても微妙な立場にある。 それは、トランプ大統領の平和維持委員会への参加。 平和維持委員会と言いながらも パレスチナ人を虐殺してる当事者 イスラエル大統領と席を並べる委員会。 しかも8000人の兵士をガザに送ることまで 約束している。 プラボゥオ大統領は、これまで、選挙活動の度に 「外国追い出せ!帝国主義反対!」 と力強く、勇ましく声を張り上げ、 主張してきたはずだが、 最近のこの、トランプ大統領の言いなり 「ポチ化」の態度に、国内では批判の声が高まっている。 オッケーガス! これは、プラボゥオ大統領が 選挙運動の時のキャッチフレーズ 交通違反なんか気にしないで、 アクセル踏んで乗客の要求に答えてくれる 気のいい乗り合いバスの運転手をイメージしたもの。 学校無料!医療無料!なんでもOK.OK.言ってきたが 大統領になったら、忘れたふり。 そして最近は、外交関係で、オッケーガス!をやっている。 今回のアメリカとの関係も、そんな感じで安請け合いしたんじゃないか。 雑誌の特集などでは、そんな皮肉をこめた...

株をやらなくても影響する株価の下落 ルピアに新興国市場から格下げの可能性

1月末、世界の投資家が運用の目安にしている株価指数を 作っているMSCIという格付け機関が インドネシア市場に対して発した警告。 翌朝から、売りが殺到し一瞬で800億ドルが一瞬で消失。 あまりの売り注文の激しさに、インドネシア証券取引所は 一時的に売買を停止しなければならなかったほどの震撼。 これは、まさにアジア通貨危機以来だという。 株の売買に関わっていなくても、富裕層でなくても、 株を売り払ってドルに換えるという投資家の動きというものが、 こんなにもダイレクトに、通貨の下落に繋がるのだという恐れを 意識しないわけにはいかなくなってくる。 さらに予測されているのは株が下がる → 通貨が下がる → もっと不安になって株を売る」という、 止まらない負の連鎖が加速するのでは?ということ。 そして、どうやらその局面が5月に訪れることになりそうだ。 問題の核心は、インドネシア政府が、格付け機関からの警告に対し、 どう対応するのかどうかという点にある。 格付け機関から与えられた、改善の期限は今年の5月とされており、 それまでに信頼を回復するに値する是正が行われなければ、 インドネシア市場は、現在のエマージングマーケットから、 フロンティアマーケットに格下げされる可能性がある。 格下げされれば、資本流出はさらに一気に進み、 ルピア相場が20,000ルピア台まで一気に下落するのではないか ということが懸念されている。 通貨が下がれば、赤字財政は益々悪化し、 国の借金だって膨れ上がる。1998年に政権崩壊させたとき のような暴動やデモが起こる可能性 についても度々語られている。 それなのに、政府の前向きな姿勢は今のところ無しに等しい、 又は見当違いな振りをしているようにみえるのは何故だろう。 市場暴落を受けて、証券取引所の社長や金融監査庁の幹部ら 数人が辞任したことは、 所詮、責任逃れの首のすげ替えとしか評価されず、 何故かこのタイミングで、経験のない大統領の甥が、 中央銀行の総裁に就任する。 格付け会社が要求する改善とは、こういう縁故で固めた 不透明性な改善のことではないのだろうか? そして、格下げされないために、改善が避けられないのが 利益を生まない政策。 その核心になっているのが、昼食無料プログラム。 子供たちの栄養を満たす、という建前はあっても、 大統領と元大統領の支持者や...

この兆候があったら危険「意図的な貧困」ベネズエラ崩壊からまなぶ 

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2026年幕開け早々、ベネズエラの大統領が米軍に連行されるという衝撃的なニュースが世界を駆け巡った。以来、その是非や目的について激しい議論が続いているけれど、ここで注目したいのは、「 ベネズエラの通貨危機が世界的なニュースになったのは、10年も前の話だ」ということ。 この10年間、世界ではいくつもの政権交代や紛争、パンデミック、そして戦争があった。しかしベネズエラでは、あの悲惨な状況が改善されることなく、ずっと続いていた。その事実に暗澹とする。 どんな政府であれ、経済を破綻させて、国民の怒りが頂点に達するまで腐敗すれば、政権は入れかわるしかないだろう...という期待がある。でも、それはただの思い込みに過ぎない。じつは、腐敗したまま居座る可能性の方が高いのだ。 堅実路線から腐敗へ ベネズエラの国家破綻の原因は、よく、「石油資源への過度な依存」と「産業育成の失敗」が育成されなかったこととして説明される。しかし、その流れを見てみると、それは国民の怠慢や先見の明のなさというより「意図的に貧しくさせられていた」という実態が見えてくる。 1960年代から70年代、ベネズエラは中東情勢が不安定な中で、世界の石油供給を支え、南米でも指折りの生活水準を誇っていた。当時の政府は国営石油会社を設立し、外資と協力しながら技術者を育成するという、堅実な方針を掲げていた。 転機は1980年代の汚職と債務拡大、そしてIMF主導の緊縮財政。1989年、公共料金の引き上げに端を発した大規模暴動では、軍の投入により数千人ともいわれる犠牲者が出た。 そんな絶望の中で、腐敗政権打倒を掲げてクーデターを起したのが、 当時、中堅将校だったウゴ・チャベス。 クーデターに失敗して、投獄されたことで、かえって絶大な支持を獲得。 恩赦を受けて解放され、大統領選に出馬する。 仮面をかぶった独裁 1998年に圧倒的な支持で大統領に就任したチャベスは、憲法を改正して、大統領の任期を延ばし、連続再選できるように改正。二院制を一院制に。 司法や選挙管理委員会を自派で固め、石油公社の技術者も自派の軍人、収益は「社会福祉」に大量投入される。 貧困率の低下という成果があったとされているものの、その実情は 「無料より高いものはない」やはりそれは政治的な戦略に過ぎなかった。 ‐ 支持者への優先配分: 診療や住宅などの恩恵は、政権を支持...

被災から1カ月 海外支援を拒む政府と 白旗を掲げる被災者たち カオスは続く

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 被災地で1週間経ちます…何も変わっていません。 子供たち、何も食べていないんです… 女性レポーターの声は震え、泣き崩れてしまった。 この映像は、CNNインドネシアの公式アカウントから配信されたもので、 フェイクや無許可映像ではない。 瞬く間に拡散され、そして、削除(テイクダウン)されたことで更に注目を集める。 #Reporter Cnn Menagis  di aceh 丁度それは「外国の支援は必要ない。インドネシアは自力で対処できる能力がある」と、 大統領自ら宣言して歩いていた直後のことだった。 日本列島がすっぽり収まる程の広さ、島の殆どが山と森林に覆われたスマトラ島は、 都市部を除いて洪水の被害とは無縁の島だと思われていた。 ところが、昨年11月末の1週間以上も続いた長 雨で、前代未聞の大規模な地滑りが、同時多発。 その範囲は3つの州、52の県、 日本列島でいえば、青森から兵庫県までにも相当するという。 広大なスマトラ島の北半分にも渡る広範囲で、川上から川下まで、地形が変わってしまうほどの大規模な、地すべりが数日の間に立て続けに発生した。 通常の災害であれば、発生後、3週間も経てば、救助活動から復興支援へとフェーズが移り、 食料供給などは安定し始めるはず。しかし、レポーターが目撃したのは、公式な避難所でさえ、飢えや赤痢で亡くなるお年寄りや子供たち。インスタントラーメンで食べつなぎ、泥水でも沸かして飲まざるをえない状況。 未だに百数十もの箇所で、橋や道路が遮断されたまま。 身を寄せられる避難所すらなく、高台にある個人の家や礼拝所など に身を寄せたままの人たちも多い。 突然また地滑りが発生するかどうか分からない 危険な山道を徒歩で往復し、 その日食べるものを探さ なければならないという毎日。 災害発生後なぜか、頻繁に外遊するようになった大統領が、行く先々で「自国で対処できる」として、海外からの支援は無用だと言って歩く一方で、 被災地では、 「自国政府でも外国からでも何でもいいから、ともかく助けてくれ」という意味の 「白い旗」が掲げられている。 全国の地方政府のまとめ役、T内務大臣は80トンの食料と医薬品をアチェ州に空輸したというが、アチェ州の知事は「全く受け取っていない」と答える。 内務大臣が送ったという物資は、実はその調達の時点からマークアップ...

従業員22名が亡くなったーテラドローン・インドネシア火災に重大な疑惑

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日本の農林水産省の「東南アジアにおけるスマート農業の実証支援委託事業」に 採択されているテラドローン・インドネシアの本社ビルで、12月9日に火災が発生。 従業員100人規模のオフィスで、22人の従業員が死亡するという大惨事があった。 火災が発生したのは都心の住宅密集地帯、大通り沿いに立ち並ぶ、 隣と壁を共有する店舗街の一角。 収益を最大化しようと階数を増やしたり、道路側に迫り出したりという、 よくある改築の施された建物。 それでも安全基準条件が厳しくなるので4階建て以上にはしないのが普通だが、 この会社が入居していた建物は、周囲と比べても、 ひときわ高く目立つ7階建てだった。 火災が発生したのは、昼休み中。従業員の多くが建物の外に出ていた時。 爆発音があって、火事だ!火事だ!という声で火災の発生を知ったという。 火災の原因は、サービスカウンターとして使用されていた1階の倉庫に 置かれていたドローンのバッテリーからの出火と報道されている。 ニュースでは、灰色の煙に包まれ、屋上の鉄柵に張り付くようにして、 助けを待つ従業員たちの姿が写し出されていた。 この建物の出口は、火災発生現場の近くの扉一つだけ。 煙は建物の中央にある階段を伝って一瞬のうちに上階へと広がった。 非常階段も、スプリンクラーも、アラームもない中、 階段を上る途中で、有毒な煙を吸ってしまった人や、 はめ殺しの強化ガラスをなんとかたたき割ろうと試行錯誤しているうちに、 猛毒な煙を吸い込んでしまった人。 救助隊の証言によれば、被害者の殆どは、各階で窓の傍で 折り重なるようにして倒れていたという。 昼食の休憩の時間。外出しなかった、被害者の殆どが女性だった。 その中には妊娠7カ月の妊婦もいた。 さらに、単位取得のための研修をしていた大学生もいる。 ほとんどが20歳代だったというのも痛ましい。 大学を卒業しても働き先がないという慢性的な 就職難の中、テラドローン社のような、最先端のテック業界で働くことは 夢、憧れの実現であったことだろうに。 そんな有望な若者たちでさえ、スプリンクラーもアラームもない、 非常階段もない、ローテクな違法建築の犠牲者になってしまうという現実。 この会社は、オフィスについてはレンタルで、コストダウンを優先していたようだが、 扱う案件は、国家的な大プロジェクトとして力を入れている分野の大物...

【報道されない大災害】アチェ・スマトラ”超巨大同時多発地滑り”で村がいくつも消えた

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​11月末に発生したアチェ・スマトラでの大洪水・地滑り災害のニュースは、 日本では「異常気象の激しさ」というカテゴリーでしか報道されていないようだが、 国内では「異常気象はきっかけに過ぎず、最大の原因は ”無秩序な森林開発にある”という議論が高まっている。 スマトラは、火山灰質の山を覆う熱帯雨林の森におおわれた崩れ易い地質。 これを天然の樹木の根が支えることで維持されてきた自然体系が、 ここ数年、急激に破壊されている。 パーム油農園への転用、鉱山開発... パーム油を原料としたバイオディーゼルは、 CO2 削減効果があるとして、地球温暖化対策の グリーンエネルギーとして注目されているが、 じつは、油ヤシの木は、天然の樹木とは全く違い、 根が浅い上に、水を大量に吸収する性質があり、 天然の樹木を切り倒した後、油ヤシを植えれば、 肥沃な土壌を、乾燥した不毛の地に変えてしまう。 それが分かっていたので、オランダの植民地政府さえ、 農園として切り開くことをしてこなかった土地だ。 ところが、ここ数年、政府は、国産のパーム油を原料とした バイオ燃料(バイオディーゼル)を、 ディーゼル燃料(軽油)に混合することを義務化する という政策を推進し、 その需要のおかげで(その前から森林破壊が問題になってはいたものの) 熱帯雨林の森のパーム農園への転用が激しく促進された。 スマトラ島は地図で見ると、そのほとんどが緑色だが、 じつは既にその7割がパーム農園や鉱山開発地に転用されてしまっている。 信じ難いのは、絶滅危惧種種スマトラ象の住む、国立自然公園、 ユネスコの世界遺産として認定されている森林にまで、 政府が開発許可を発行していることだ。 さらに、”違法伐採の取締りも機能していない” というよりむしろ、 ”反対派の住民や活動家を取り締まるために”機能している。 そんな、積もり積もった悪行。 ”近い将来、たいへんなことが起こる”という警告は、 何度もあったが、その甲斐もなく、 むしろ2025年に入って、政治的な意図が絡んだ利権分配の道具としての、 無秩序な伐採が加速していた。 法律では、切り開いてはいけないことになっている 山の上や川の傍で、大規模な伐採が(こっそり)行われていた。 このことは、 土砂に運ばれて、川に流れ込み、 麓の村を直撃した大量の木材が、切りそろえられ、 マーキングされ...