都心の閑静な邸宅街の品格漂う重厚な建物 宮殿を思わせる絢爛豪華な内装の喫茶店。 奥の壁面のディスプレイの裏側には 隠し部屋、その奥には高さ2メートルもの 大型金庫。 警察はそのなかから、 672憶ルピア(約六億円) 相当の現金を押収した。 現場にはマネーチェンジャーも併設されており 喫茶店で受け渡された不正資金をそのまま 外貨に換金・送金することが出来る仕組み であったと考えられる。 そしてそれは、 家宅捜索の対象の 11カ所の うちのひとつに過ぎない。 警察は、郊外にある別宅の一つでも 埋め込み 型の 巨大金庫を見つけ、 さらに一桁多い 巨額の現金に加え、 74 kgに及ぶ金塊を 押収する。 これだけの金塊や現金が 一カ所にあつめられていたのでは、 世の中に回ってこないのも無理はな いのかもしれない。 まるで電気製品の倉庫かと思うほど 整然と並べられた札束の山。 この不景気な世の中で これだけの金塊や現金を保持する人物 この喫茶店・隠し金庫の持ち主は いったい誰なのか? じつは、その人物は、この家宅捜索が実施された 段階ではまだ、容疑者認定さえされていなかった。 本来ならば、警察は捜査令状を提示してから 踏み込むものだが、それがなかった という事実が、この捜査がいかに異例 なものだったのかを物語っている。 その人物とは、 「 司法検察庁、 特別犯罪担当次席検事総長」 国家規模の最重大犯罪や 超大型汚職事件を 専門に捜査・公訴提起する現役の 最高実務責任者 F。 これまでに巨大国家汚職を扱ってきた 大型汚職事件を捜査する 絶大な権限を持つ実務のトップだ。 そんな人物自らが、資金洗浄の場を 提供していたという司法の闇を、突然暴露した 警察側の意図は一体どこにあるのか? その答えは、この家宅捜索の直後に、 国軍が出動し、Fの自宅周辺の警護についたという 事実から見えてくる。 じつは、Fにとってこうした異例の事態は、 はじめてではなかった。 2年前にも、 ジャカルタの検察庁本部が 警察の特殊部隊に包囲されたことがあった。 そのとき、警察との間の緊張が頂点に達した際、 検察庁本部の警備を増強して後ろ盾となったのも 国軍だった。 二年前の警察と軍の対立の 引き金になったと考えられているのが、 「スズ鉱山国営企業を巡る巨額汚職事件」 長年にわたり地元警察や上層部との癒着が 指摘...
インドネシア政府が推進する昼食無料プログラム 一時期は、配られた弁当の写真撮影や正直な感想を SNSで発信することさえタブーとされていたが、 先月、「国家栄養庁」の長官がついに、 汚職容疑で逮捕されたことで、 やっと批判してもいいという機運になってきている。 教育、福祉、地方への予算、あらゆる国家予算が削減され困窮する中で 巨額の予算があてられ優遇されてきた政策。 それをいいことに、用途不明の電動バイク、タブレット端末、靴下、 などを次々と大量購入+予算の水増し。 調理センターの利権をめぐる賄賂、 存在しない架空の調理センターへの不当な支払い。 この長官の経歴は「昆虫の研究者」 栄養や食生活については完全に専門外の人物。 つまり、人選の時点でもう、なにか怪しいものがある。 実際、昆虫食を取りいれるという案も一時期あったけれど 強行するまでの勢いにはならなかった。 「インドネシアの昼食無料プログラムは、 世界的な計画のひとつだったのだ」 と説く人もいる。 しかし、はっきりしていることは 利権者が国家予算を合法的に手に入れる ための案件の一つとして 貧困者救済という名目のプログラムが 国家戦略として推進されていたということだ。 そもそも、わざわざ新しい調理センターなど 建てなくとも、どこの 学校にもすでに 学食(カンティン)が存在するのだから、 そこに補助金を支給すれば済む話。 選挙戦のときにも「もちろん小規模事業者を応援するものだ」 と力説していたはずだったが、 実施の段階では違っていた。 「協力者が自発的に自己資本で調理センターを建てている」 という体裁から始まり、次第に巨額の予算が 振り分けられていった。 一日あたり1兆ルピア(およそ100億円)が 消えていく。 ある専門家はそれは最先端の戦闘機を 一日一機買えるほどの莫大な浪費だと痛烈に批判した。 一食あたりの金額は15,000ルピア。 そのうち、調理センターの運営費が3000ルピア 2000ルピア相当が調理センター 業者の利益として懐に入る仕組み。 一人当たりの利益は微々たるものでも、 一カ所の調理センターで何千食分もの給食を 一括引受ければ、膨大な利益が生まれる。 調理センターを運営するのは、 政治家や官僚の親族・利権関係者。 議員、大統領の政党支持者。 一つの財団やグループが数十軒もの 調理セン...