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被災から1カ月 海外支援を拒む政府と 白旗を掲げる被災者たち カオスは続く

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 被災地で1週間経ちます…何も変わっていません。 子供たち、何も食べていないんです… 女性レポーターの声は震え、泣き崩れてしまった。 この映像は、CNNインドネシアの公式アカウントから配信されたもので、 フェイクや無許可映像ではない。 瞬く間に拡散され、そして、削除(テイクダウン)されたことで更に注目を集める。 #Reporter Cnn Menagis  di aceh 丁度それは「外国の支援は必要ない。インドネシアは自力で対処できる能力がある」と、 大統領自ら宣言して歩いていた直後のことだった。 日本列島がすっぽり収まる程の広さ、島の殆どが山と森林に覆われたスマトラ島は、 都市部を除いて洪水の被害とは無縁の島だと思われていた。 ところが、昨年11月末の1週間以上も続いた長 雨で、前代未聞の大規模な地滑りが、同時多発。 その範囲は3つの州、52の県、 日本列島でいえば、青森から兵庫県までにも相当するという。 広大なスマトラ島の北半分にも渡る広範囲で、川上から川下まで、地形が変わってしまうほどの大規模な、地すべりが数日の間に立て続けに発生した。 通常の災害であれば、発生後、3週間も経てば、救助活動から復興支援へとフェーズが移り、 食料供給などは安定し始めるはず。しかし、レポーターが目撃したのは、公式な避難所でさえ、飢えや赤痢で亡くなるお年寄りや子供たち。インスタントラーメンで食べつなぎ、泥水でも沸かして飲まざるをえない状況。 未だに百数十もの箇所で、橋や道路が遮断されたまま。 身を寄せられる避難所すらなく、高台にある個人の家や礼拝所など に身を寄せたままの人たちも多い。 突然また地滑りが発生するかどうか分からない 危険な山道を徒歩で往復し、 その日食べるものを探さ なければならないという毎日。 災害発生後なぜか、頻繁に外遊するようになった大統領が、行く先々で「自国で対処できる」として、海外からの支援は無用だと言って歩く一方で、 被災地では、 「自国政府でも外国からでも何でもいいから、ともかく助けてくれ」という意味の 「白い旗」が掲げられている。 全国の地方政府のまとめ役、T内務大臣は80トンの食料と医薬品をアチェ州に空輸したというが、アチェ州の知事は「全く受け取っていない」と答える。 内務大臣が送ったという物資は、実はその調達の時点からマークアップ...

【報道されない大災害】アチェ・スマトラ”超巨大同時多発地滑り”で村がいくつも消えた

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​11月末に発生したアチェ・スマトラでの大洪水・地滑り災害のニュースは、 日本では「異常気象の激しさ」というカテゴリーでしか報道されていないようだが、 国内では「異常気象はきっかけに過ぎず、最大の原因は ”無秩序な森林開発にある”という議論が高まっている。 スマトラは、火山灰質の山を覆う熱帯雨林の森におおわれた崩れ易い地質。 これを天然の樹木の根が支えることで維持されてきた自然体系が、 ここ数年、急激に破壊されている。 パーム油農園への転用、鉱山開発... パーム油を原料としたバイオディーゼルは、 CO2 削減効果があるとして、地球温暖化対策の グリーンエネルギーとして注目されているが、 じつは、油ヤシの木は、天然の樹木とは全く違い、 根が浅い上に、水を大量に吸収する性質があり、 天然の樹木を切り倒した後、油ヤシを植えれば、 肥沃な土壌を、乾燥した不毛の地に変えてしまう。 それが分かっていたので、オランダの植民地政府さえ、 農園として切り開くことをしてこなかった土地だ。 ところが、ここ数年、政府は、国産のパーム油を原料とした バイオ燃料(バイオディーゼル)を、 ディーゼル燃料(軽油)に混合することを義務化する という政策を推進し、 その需要のおかげで(その前から森林破壊が問題になってはいたものの) 熱帯雨林の森のパーム農園への転用が激しく促進された。 スマトラ島は地図で見ると、そのほとんどが緑色だが、 じつは既にその7割がパーム農園や鉱山開発地に転用されてしまっている。 信じ難いのは、絶滅危惧種種スマトラ象の住む、国立自然公園、 ユネスコの世界遺産として認定されている森林にまで、 政府が開発許可を発行していることだ。 さらに、”違法伐採の取締りも機能していない” というよりむしろ、 ”反対派の住民や活動家を取り締まるために”機能している。 そんな、積もり積もった悪行。 ”近い将来、たいへんなことが起こる”という警告は、 何度もあったが、その甲斐もなく、 むしろ2025年に入って、政治的な意図が絡んだ利権分配の道具としての、 無秩序な伐採が加速していた。 法律では、切り開いてはいけないことになっている 山の上や川の傍で、大規模な伐採が(こっそり)行われていた。 このことは、 土砂に運ばれて、川に流れ込み、 麓の村を直撃した大量の木材が、切りそろえられ、 マーキングされ...

祭りか?迷惑か?東ジャワ発『ホレグ』爆音サウンドパレード

壁が揺れ、家の瓦が落ち、ガラスが割れる。赤ちゃんは大泣き、怒りっぽい人が増え、老人は具合が悪くなる。これはもう音楽ではなく災害。 東ジャワというところは、バリ島と海峡を隔てた、ジャワ島の東側。工業を中心とした小都市や農村が点在する、ぐっと生活感のあるところ。ここが、今話題になっている大音量スピーカーシステム、通称ホレグの本拠地になっている。 こちらで国民的な音楽といえば、ダンドゥット。アラブとインドの映画音楽を足したような強いバス音に、笛、押しの強い女性歌手の、セクシーで意味深な歌詞とダンスというのが特徴で、村の親睦会や結婚式などには、こういうステージを設けるのが定番。 でもこの地方では、馬鹿でかいスピーカーシステムとオペレーターのDJが流す、爆音リミックスというトレンドがある。ホレグというのは振動という意味で、まさに音が大きければ、大きいほど、スピーカーシステムも見た目も大きければ大きいほど、価値が上がる。 大型トラックを改造して積めるだけ積み上げたスピーカー。レーザーライトとか音に合わせて点滅するLEDのデコレーションも装着して、まるで大きなコンサートのステージがそのままやってきたみたいで、ソーシャルメディア映えもする。 大音量を鳴らしながらゆっくりと通過し、その後を、有志のダンスグループや一般市民の見物人がついていく。こういうのをローカルカーニバルという。 レンタル料金は1台30ジュタ(30万円)くらいからだそうで、独立記念日や大祭明けなど、村や地域で何かイベントをやろうという場合には予算の範囲だし、ご近所住民や仲間うちで、寄付を募って企画することも可能な範囲。 そんなトラックを十台以上も並べたイベント、ローカルフェスというのもあって、入場料が1万ルピア程度(100円程度)と安いこともあって、周囲の町や村から人が集まり、ひしめき合うほどの盛況ぶりになる。駐車場料やら、屋台での収入やらで、不景気な地方経済を活性化させる効果があるらしい。 こういうイベントが、パンデミックによる制限が解除された後あたりから現在に至るまで、頻繁に行われるようになり、地元ではその騒音が深刻な問題になっている。 国内の専門家は120デシベルならまだ大丈夫と言っているが、 WHOによると安全音量の目安は80デシベ ル。そして、問題になっているホレグサウンドスピーカーシステムの音量は130デ...

恋人を車で轢いた男 あり得ない無罪判決の値段

 午前零時過ぎ、ショッピングモールの上階にあるカラオケルームを出たときから激しく言い合いをしていた一組の男女。駐車場に降りるエレベータの中、口だけでは足りなくなったのか、男が女の首を絞めるという暴力沙汰に発展する。逃れようとする彼女の足を蹴って、転倒し、男のシャツを掴んで立ち上がろうとしたその時、男は店から持ち帰った飲み残しのテキーラの瓶底で、彼女の後頭部を二度も打った。 その夜の彼女はショートパンツにノースリーブというファッション。事件後の検死の結果では、頭部や首、腕など体のあちこちに内出血があったという。先に駐車場に着いた彼女は、男の車(車高の高いMPV車)助手席のドアに背中を向けて寄りかかり、その時、友人に”ずっと彼氏に蹴られっぱなしで訳が分からない” というボイスノートを送っている。  彼女は、助手席側のドアにもたれかかって携帯電話を操作していたか、憔悴しすぎて力が抜けていたのか、男が戻ってきたことに気づいていなかった。男は黙って運転席に座ると、何を思ったのかハンドルを右に切った状態でアクセルを踏んだ。車が不意に走り出したことで、彼女の身体は後輪の下に巻き込まれ、5メートルも引きずられたのだった。 ところがこの男は、倒れて動けない彼女を助けるどころか、スマホを取り出して撮影するという奇行にでる。後に出回ったその動画の中で”自分はたまたま通りかかっただけ。赤の他人だ” と警備員の質問に対し答えている(撮影者である)本人の声や、笑い声も含まれている。”彼女と一緒に店に来たところをみた”と追及されるとようやく関係を認め、荷物スペースに彼女の身体を積み込み駐車場を出た。 そのまま市街内にある病院に直行していたのなら、状況は違っていただろう。しかし、またしても何を思ったのか男は同じ市街地の中にある彼女のアパートメントに向かった。アパートメントのロビーでは、気を失いぐったりとした女性をみて驚いたロビーの警備員や通行人が手伝って、車いすに座らせてくれた。すると男は”ちょっと荷物をとって戻ってくる”と言い残して車に乗り、彼女の部屋のある上階の駐車場へと上がって行いく。 ”まさかこのまま置き去りにするつもりじゃないだろうか”尋ねても名前も名乗らない男の行動を不審に思った警備員が、他の警備員が監視カメラで追跡、ゲートにも無線で連絡した。案の定、男は、彼女の部屋に置いてあ...

都市部でも巨大地震の恐れ?ジャカルタ・バンドン高速鉄道が横切る活断層

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 日本で南海トラフ地震の注意呼び掛けがあったというニュースに便乗して、インドネシア気象局も、メガスラスト地震(プレートの境界線で発生する巨大地震)が発生する可能性があると発信し始めた。 海溝とセットになった火山帯が縦に並ぶ地形。プレートの境界線を震源とするマグニチュード8以上の地震と津波がいつどこで起きてもおかしくない状況は日本と似ている。2004年にマグニチュード9の地震が大津波を引き起こした北スマトラアチェ州沖海溝の延長線上にある南スマトラ・ジャワ島の南西沖は、いつ地震が起こってもおかしくない状況だと、気象庁は説明する。 Mana Saja Wilayah Berpotensi Gempa Megathrust? Ini Penjelasan BMKG BMKG sebut potensi gempa bumi megathrust bisa terjadi di Indonesia sewaktu-waktu. Mana saja wilayah yang berpotensi terdampak? Ini penjelasan BMKG. www.kompas.com 気象庁の地図をみれば、インドネシア国内全てリスクが高い。首都移転させようとしているカリマンタン島を除いて。 スンダ海溝で大地震が発生すれば、地理的に近いところに位置する首都ジャカルタにも津波がやってくる。沿岸沿いに広がる都市の海面は陸地よりも高いことはよく知られており、何十年も前から地盤沈下問題を抱えている脆弱な地質が、強い揺れで液状化を起す可能性もある。 地球から夏を消失させた巨大噴火…インドネシアに巨大火山が生まれる理由(蒲生 俊敬) 日本列島で、私たちがしばしば経験する自然現象や災害が、インド洋(特にその北東側)に面する国々でも、同じように起こっていることにお気づきでしょうか。その共通項とは、火山噴火と地震、そして津波です。本稿では3回の連載で、日本にとって決して他人事ではない、インド洋周辺で起こる巨大地震と火山噴火に焦点を当てます。そこから日本を見つめなおすこともできるかもしれません。 gendai.media スマトラ、ジャワ島の南側の火山帯は、断層同士の間の割れ目にマグマが蓄積される構造になっていて周期が長い(我慢強い)かわりに爆発力が巨大という特徴があるそうだ。 これまで...

ホラー映画化で炎上 8年前の高校生殺人事件でっち上げ逮捕の真相

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 土曜日の深夜、高架端に血まみれで倒れているところを発見された高校生男女。ヘルメットをかぶって倒れていた少年は既に息絶えており、夥しい血が流れ出ていた。かすかに意識が残っていた少女の方は病院に運ばれ4時間後に息を引き取った。手足に深い傷を負い、強姦を受けた痕跡があったという。 当初、警察はこれを交通事故として扱い二人の遺体は検死なしで埋葬された。殺人事件としての捜査が始まったのはそれから数日後、少年の父親による捜査依頼が提出されてから。警察は、聞き込みによる証言により、被害者と敵対関係にある暴走族メンバー11人の犯行であると断定。 容疑者らは、二人の乗るオートバイを追跡して取り囲み、石やレンガを投げるなどして転倒させ、空き地に連れ込み暴行を与え、日本刀で殺害したあと、交通事故に見せかけるために二人を現場に運び捨てたという。 目撃者の証言に基づいて、現場近くの住宅地で酒を飲んでいた少年ら8人が逮捕されたが、全員が容疑を否定。暴走族や被害者との関係もない。殺害場所での血痕や、血痕のついた衣服や凶器なども見つかっていない。首謀者不在の現場検証も形の上で行われたにすぎず、誰が殺害に関わったとか、石を投げたかなどの役割りも不明なまま。目撃者の証言と本人の自白だけを根拠に、7人全員が終身刑、未成年であった一人については懲役8年という重罰が下された。 Simak Rekaman 2016! 7 Tersangka Kasus Vina Tolak Rekonstruksi CIREBON, KOMPASTV Tampang para tersangka dalam kasus Vina Cirebon dapat dilihat dari berkas liputan KompasTV pada tahun 2016 silam. Para tersangka sempat dis... youtu.be 場検証中の容疑者少年たちの訳が分からんといった表情。隠しようもない警察の横暴さ。 被害者のエキイは、中部ジャワを基盤とする暴走族組織の地元のリーダーだった。カメラの前では顔をゆがめてみせるのが癖らしい男気ありそうな好男子、紅一点でいつもそばにいる長い髪の少女フィナ。事件の夜、エキイは、いつものように彼女を家に送り届けてから、組織のミーティングに向かう予定だった。 FAK...

ジャカルタ・ジャワ島北岸部に迫る水没の危機

 気候変動の影響による海面上昇で、世界各国の沿岸に位置する大都市が水没する可能性について語られる時、最も早く水没する都市として名前が挙げられる首都ジャカルタ。面積は東京23区と同じくらい。漁港のある沿岸沿いが海抜ゼロ以下というところも東京と似ている。 Climate centralによる2030年水没予測マップによると、沿岸線から10キロ範囲内まで都市の主要部は全て赤く塗られていて、相当ヤバいという印象を与える。といって映画のように一揆に津波が押し寄せるのではなく、あるとすれば大雨のあと水が引かない地区が次第に増えてくるという沈み方になるだろう。 #Peta proyeksi Jakarta Tenggelam 2030  海面上昇について世界的な議論が交わされるもうずっと前から、ジャカルタ市の地盤沈下問題の深刻さについては警告されてきた。いくつもの河川や水路が、街の中を通り抜け海に注ぐ脆弱な土壌な上に水はけが悪く、急激な都市化の重みにそもそも耐えられないことはよく知られている。 ジャカルタ湾から海峡を渡ったカリマンタン島西部の既存の町を都市化する形で首都を移転させる計画は、建国の父スカルノ大統領の発案によるもの。しかし何故、東部のジャングルを伐採して建てることになったのかは謎。もうすぐ移転式典はやるかもしれないけれど、すぐに全て移転できるわけではなくまだまだ巨額の国家予算負担が続く見通しだ。 ジャカルタ都心には、カンプンアプン(浮かぶ村)とよばれる、竹や廃材などで床を高くして水の上に暮らしている地区があるが、その水たまりの深さがなんと今や3メートルにもなっているという。自主的に引っ越せば何の補償も受らえない、職を失うリスクがあるとして引っ越せないままもう何十年もくらしている。 #Kampung Apung  首都機能が移転したところで、何か変わるようにも思えない。使用しなくなった省庁のビルは二束三文で売り渡されるに違いない。そういう利権があるからなおさら、11月の知事選挙もまたゴリゴリに荒れるだろう。投資対象であるビルを取り払って、政府が緑地を作るなどはありえないだろう。 戦後70年もたつというのにまだ上下水道がない、ごみ収集もできていない危険で不衛生な地区に人口の60%が暮らしている。それらを移住させて、洪水や渋滞の問題を解決しようと...

ゴールド高騰の影で消えていた漁村 ードキュメンタリ映画ー東からの風ーより

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 自分たちの足で各地を巡り、低予算でインドネシアの今を取材するカメラマンとジャーナリストの自主製作ドキュメンタリー映画。南極海からの海流が打ち寄せるジャワ島南沿岸と、首都移転が計画されているカリマンタン島とジャワ島の中間にあたる北側のカリムンジャワ島に取材し、美しい海と地元の漁師さんたちの人間模様のスケッチを通して、彼らの直面している厳しい現実に踏み込んでいく。 (以下、なるべく映画のストーリーに従って要点を追い、最後に感想を書く) ジャワ島中部南側の都市ジョグジャカルタ郊外の山が背後に迫る美しい入江。東からの風が吹く季節は波が高くて漁に出られない。昔は乾季と雨季がはっきりしていたものだが、最近は天気の予測が難しく、いつ漁に出れるのか見通しがたてられない。 内側が青色に塗られた小舟が並んでいる。観光客やカメラマンを惹きつける美しい光景だが、その内実、漁師さんたちが昔のように漁業だけで生活していくことは難しい。農業や建設現場の手伝いなどの臨時の副業をしてなんとか日々をしのいでいる。 ジャワ島北側カリムンジャワ島の魚市場では、魚を売りに来た漁師が借金を差し引いたわずかな報酬を受け取る。この魚屋さんでは、漁師さんたちにとってなくてはならない燃料と水を後払いで先に使わせてくれる。”じゃなきゃ誰も漁に出られないわよ”と、島の漁師さんたちの悲喜こもごもを語る魚屋のおかみさん。 天候の問題の他にも、 燃料が入手できるかどうかという死活問題がある。安い補助金付きの燃料を購入するためには、その度に複雑な手続きが要求される。その一方で供給業者は、漁師に売るよりも、本来は買う資格のない企業などへの横流しを優先したり、又売りが横行したり。 大きな運搬船が補助金付き燃料を給油するために、この小さな島近くに停泊するようになったのは2年前。その海域に潜って調べてみれば、確かにサンゴ礁はもう白化してしまっている。昔の映像と比べてそれが明らかなのが分かったところで、漁師さんたちにできることといっては、停泊中の運搬船を苦い思いで眺めることぐらいだ。 島のエコシステムが悪化しているのは沖だけでない、岸辺のマングローブの森も水質汚染によって一部が、魚の住めない泥沼と化してしまった。原因は、山を切り開いて建てられたエビの養殖所から垂れ流しにされる排泄物やえさの残りなど。 自然保護区内を管理する自然保...

まるで昼ドラな州警察署長の覚せい剤横流し事件の公開裁判

 南シナ海を巡行する監視艇の中で、ジェンデラルとわたしはいつも一緒の部屋で過ごしました。彼は否定するかもしれませんが、わたしは宗教上の妻です... こんな証言を聞いたら、ドラマより面白そうだななどと思ってしまうだろうか。公開裁判でさえあれば特に禁止する規定はないそうで、公民を問わず国民の関心が高い裁判については、透明性や公正性のためにライブ中継されるのだそうだ。 証言や応答はもちろん、被告や裁判官の表情から声の調子、はたまた傍聴している家族の反応まで毎日、カメラワーク付きで一部始終が中継され、ネットメディアにはオンタイムの見出し付き記事が即時アップされる。 2023年、2月、3月には、被告人が警察高官という裁判が二件続いた。 ”高官”というとぼやけてしまうが、結構国民に直接かかわりのある立場の人のまさかと思うような事件が明るみになったので国民的関心が集まったのである。 その事件の内容とは 2月 FSの事件 警察を監視・指導する立場にある警視総監が、腹心の部下だった警官を、別の部下である警官に命じて射殺し、立場を利用して証拠隠滅を図った事件。 3月 TMの事件 西スマトラ州警察の署長が、証拠として押収した覚醒剤を着服し、警官である部下に命じて横流ししていた事件。(冒頭の証言は、直属の売人として逮捕された女性Lの証言) どちらも上司という立場を利用して警官である部下に犯罪を命令したというところが共通しており、先に逮捕された警官の勇気ある告発と、大統領の方針に従って体質改善を行おうとしている警察長官直々の介入によらなければ、有耶無耶にされたに違いない事件だ。 警官になるということは多くの子供たちの夢であり親にとっては誇りだ。それが、配属先の上司の意向次第で犯罪者に、又は命まで奪われてしまうとは。これらが公正に裁かれることは、大枠としては、失墜した信頼をとり戻すために重大な事件だった。 しかし、生中継であることによって印象に残ったのは FSの件については、実行犯となった若い警官に寄せられた同情、年配の妻が強姦されそうになったという無理なストーリーを無理押ししようとした被告人の傲慢さ(腹心の部下だった被害者を殺害した本当の動機は不明) TMの件について前述の売人の女性のロマンス(被告人は否定)台湾の麻薬工場があったという供述(本当かどうかは不明)、押収した覚せい剤をミ...

息子の贅沢自慢でバレた国税局幹部汚職の実態

 ”死人なんか怖くねえぞ”  うずくまって既に動けなくなっている17歳の高校生に一方的な暴行を加えながら言った言葉の意味は、親父がなんとかしてくれるから警察なんかこわくないという意味だったのだろうか。 先月、南ジャカルタの住宅街、人けのない路上で発生した暴行傷害事件。被害者少年を呼び出して暴行を加える一部始終を友人に録画させていたという加害者青年20歳の異常さとあさはかさ、そして逮捕されても全く反省の色が見えない傲慢な態度は、彼の父親が国税職員という情報ともに大炎上。 そして加害者青年が、度々ソーシャルメディア上で披露していた、高級ジープやハーレーダビットソンを乗り回す映像から、ネット民が推定した金額と、彼の父親が属する公務員レベルの月収の比較分析から、その不釣り合い具合に注目が集まる。 潔癖で収税目標を守ることに厳格ということで知られるスリムルヤニ財務大臣は、これに応答し、納税者の信頼を取り戻すべく徹底的な調査を約束。日を開けず、公開された情報によると、納税者には厳しく追及されるような違反の数々をR自ら長期に渡って行っていたということがわかった。 分かりやすいところではまず、Rが所有していた、南ジャカルタ、ジョグジャカルタ、マナド、にあるプールやジム完備の広大な大邸宅。納税額が年間たったの36万ルピア(三千円程度)というのはいくらなんでもやりきれない。そして息子が乗り回していた高級車両も、辿ってみれば支援金を受給している生活困窮者の住所が利用されていた。 他にも、公務員として登録された金額をはるかに上回る隠し資産も発覚し、関連する40口座が凍結され、慌てて移した銀行の金庫の現金も没収された。Rは懲戒免職処分となり、現在、汚職撲滅委員会によって調査が続いている。 大臣はまた、さらに贅沢な暮らしぶりをソーシャルメディアで披露している職員について市民からの通報を奨励。職員限定の大型バイク愛好会のコミュニティーは、汚職のためのロビー活動とみなされかねないとして、大臣によって解散させられた。 通常、税関係の汚職はあってもこれほどの国民的大ニュースになることはあまりない。10年前に租税総局職員Gayus Tambunanの汚職事件があったが、それに比べると報道される金額も桁違いに多い、さらにR単独の犯行としてだけではなく、財務省内部の大規模な汚職ネットワークの存在につ...

法廷ライブ中継にあまり期待しない方がよいと思う件

 南シナ海を巡行する監視艇の中で、ジェンデラルとわたしはいつも一緒の部屋で過ごしました。彼は否定するかもしれませんが、わたしは宗教上の妻です... こんな証言を聞いたら、ドラマより面白そうだななどと思ってしまうだろうか。公開裁判でさえあれば特に禁止する規定はないそうで、公民を問わず国民の関心が高い裁判については、透明性や公正性のためにライブ中継されるのだそうだ。 証言や応答はもちろん、被告や裁判官の表情から声の調子、はたまた傍聴している家族の反応まで毎日、カメラワーク付きで一部始終が中継され、ネットメディアにはオンタイムの見出し付き記事が即時アップされる。 2023年、2月、3月には、被告人が警察高官という裁判が二件続いた。 ”高官”というとぼやけてしまうが、結構国民に直接かかわりのある立場の人のまさかと思うような事件が明るみになったので国民的関心が集まったのである。 その事件の内容とは 2月 FSの事件 警察を監視・指導する立場にある警視総監が、腹心の部下だった警官を、別の部下である警官に命じて射殺し、立場を利用して証拠隠滅を図った事件。 3月 TMの事件 西スマトラ州警察の署長が、証拠として押収した覚醒剤を着服し、警官である部下に命じて横流ししていた事件。(冒頭の証言は、直属の売人として逮捕された女性Lの証言) どちらも上司という立場を利用して警官である部下に犯罪を命令したというところが共通しており、先に逮捕された警官の勇気ある告発と、大統領の方針に従って体質改善を行おうとしている警察長官直々の介入によらなければ、有耶無耶にされたに違いない事件だ。 警官になるということは多くの子供たちの夢であり親にとっては誇りだ。それが、配属先の上司の意向次第で犯罪者に、又は命まで奪われてしまうとは。これらが公正に裁かれることは、大枠としては、失墜した信頼をとり戻すために重大な事件だった。 しかし、生中継であることによって印象に残ったのは FSの件については、実行犯となった若い警官に寄せられた同情、年配の妻が強姦されそうになったという無理なストーリーを無理押ししようとした被告人の傲慢さ(腹心の部下だった被害者を殺害した本当の動機は不明) TMの件について前述の売人の女性のロマンス(被告人は否定)台湾の麻薬工場があったという供述(本当かどうかは不明)、押収した覚せい剤をミ...

カンジュルハン・サッカースタジアムの悲劇

  カンジュルハン・サッカースタジアムの悲劇 2022年10月Kanjuruhan インドネシア東部ジャワ・サッカースタジアムで、サポーター同士の喧嘩に警察が介入し、催涙ガスが使用され、 警察、サッカー協会、運営者、互いに責任を擦り付け合う 独立調査団が14日に発表した調査結果は次のようなものだった。 1.ハーフタイムの時、勝敗の結果も暴動になるかどうかも分からない時点で、武器が用意されていた。 2.最初のガス弾はグラウンドの真ん中に向けて発射された。 3.観客席の方向にもガス弾がランダムに発射された。 4.一発目の発射音と二発目の音が違う。 5.催涙ガスのカートリッジは期限切れのものであった。 6.警察は検視の権限を持つが、行っていない。 7.警察が公開しない監視カメラの映像がある。 8.試合は始まって80分後にドアは開けられたが、何者かによって再び閉められていた疑いがある。 9. 医療記録の全てが被害者家族に渡されていない。 10.ガスを浴びた生存者は皆、眼の周りが黒く白目が赤くなる症状が9日間続く。 11.遺族が受取った検視結果における死因は踏みつけられたこと、催涙ガスが死因というケースはまだない。 調査報告には、販売されたチケットの数が収容人数を大きく上回っていたことや、安全のために警察が試合時間の前進を求めたがテレビ局によって拒否したということについての検証は含まれていなかった。 マスコミの報道では伏せられているが、調査団の報告書によれば、重傷者は96人、中軽傷者は484人、勝敗に不満を感じた一部の観客がスタジアムに降り、乱闘を始めたというが、警察の放った催涙ガスは、乱闘に参加していない客席にも向けられている。そもそもそのような場所で催涙弾を使用してよいものなのか?大勢の一般客を危険にさらしてでも使用しなければならなかった必然性がはっきりしない。 観客がパニックになって逃げようとしているのに、案内放送どころか、出口ゲートすらも開いていなかったというスタジアム運営者側の責任さも問われる。 その後、地方警察長やサッカー連盟会長が交代させられた。 後記: 2023年1月スラバヤ裁判所における裁判では、容疑者はたったの6人、主催側の責任者や警備責任者、警察官。うち三人が業務上過失致死罪で懲役1年程度、残りは無罪だった。 被害者への補償については、2024年...