”死人なんか怖くねえぞ”
うずくまって既に動けなくなっている17歳の高校生に一方的な暴行を加えながら言った言葉の意味は、親父がなんとかしてくれるから警察なんかこわくないという意味だったのだろうか。
先月、南ジャカルタの住宅街、人けのない路上で発生した暴行傷害事件。被害者少年を呼び出して暴行を加える一部始終を友人に録画させていたという加害者青年20歳の異常さとあさはかさ、そして逮捕されても全く反省の色が見えない傲慢な態度は、彼の父親が国税職員という情報ともに大炎上。
そして加害者青年が、度々ソーシャルメディア上で披露していた、高級ジープやハーレーダビットソンを乗り回す映像から、ネット民が推定した金額と、彼の父親が属する公務員レベルの月収の比較分析から、その不釣り合い具合に注目が集まる。
潔癖で収税目標を守ることに厳格ということで知られるスリムルヤニ財務大臣は、これに応答し、納税者の信頼を取り戻すべく徹底的な調査を約束。日を開けず、公開された情報によると、納税者には厳しく追及されるような違反の数々をR自ら長期に渡って行っていたということがわかった。
分かりやすいところではまず、Rが所有していた、南ジャカルタ、ジョグジャカルタ、マナド、にあるプールやジム完備の広大な大邸宅。納税額が年間たったの36万ルピア(三千円程度)というのはいくらなんでもやりきれない。そして息子が乗り回していた高級車両も、辿ってみれば支援金を受給している生活困窮者の住所が利用されていた。
他にも、公務員として登録された金額をはるかに上回る隠し資産も発覚し、関連する40口座が凍結され、慌てて移した銀行の金庫の現金も没収された。Rは懲戒免職処分となり、現在、汚職撲滅委員会によって調査が続いている。
大臣はまた、さらに贅沢な暮らしぶりをソーシャルメディアで披露している職員について市民からの通報を奨励。職員限定の大型バイク愛好会のコミュニティーは、汚職のためのロビー活動とみなされかねないとして、大臣によって解散させられた。
通常、税関係の汚職はあってもこれほどの国民的大ニュースになることはあまりない。10年前に租税総局職員Gayus Tambunanの汚職事件があったが、それに比べると報道される金額も桁違いに多い、さらにR単独の犯行としてだけではなく、財務省内部の大規模な汚職ネットワークの存在について、調整大臣自らが示唆するほどの盛り上がりをみせている。
今回のことも、Rの息子が暴行傷害事件など起こさなかったら、また、被害者の父親が宗教省傘下の活動家としてネットワークを持つ人物で、断固として示談に応じない態度をとらなかったら、これほどの国民的な関心事にならずに終わったかもしれない。
Rに引き続き、セスナ機を所有していることで有名なジョグジャカルタの税関局長(解任)、娘がブランドの服を何着も披露していることで話題になったマッカサル税関局長(調査中)財務省以外では、西ジャカルタ国土局長、国務省職員、が解任されるに至った。
”これだから信用できない”などと嘆くことなく、ネット民主導でこういった問題が取り上げられるようになった流れを評価し、堅固なお役所体制に改善が図られることに期待したい。
これまではただ、”お金持ちでうらやましい”というジャンルで深く考えもしなかった画像だったかもしれないが、こんな話を聞くと見方もまた変わってくる。
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