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ジョコ政権下で進んだニッケル採掘の終焉?国軍演習で露呈した違法空港の闇 

中国政府のベルト・アンド・ロード構想の主要プロジェクトの一つ EV車のバッテリー用のニッケル採掘場となったスラウェシ島。 その中部には、その拠点である中国資本の巨大な工業団地 がある。 工業団地の中には、学校や病院があり、 数万人といわれる中国人労働者のための宿舎、発電所、病院、学校、警備まで 企業が一体運営、 ミニ都市状態。 インドネシア人労働者が作業中に事故があっても内部で処理され、 暴動が発生したときも、インドネシア警察は中には入れてもらえなかった。 問題が洩れないように管理され、警察も行政も全く立ち入ることのできない 実質的な”治外法権地帯” 10年前、圧倒的な支持を得て大統領に就任したジョコ大統領は 「鉱石をそのまま輸出すれば、外国の利益になるだけ」 として、鉱石の輸出を禁止、鉱物が欲しければ「インドネシア国内で 精錬して、現地人を雇え」という方針で、鉱物業界は大きく転換した。 しかし、その方針の結果、国内に精錬工場を建設したのは 中国資本ばかり。 政府は、工場法人税30年免除、物品税・輸入税の免除など 様々な優遇策、を提供し、ニッケル鉱山開発を 優先的な国家戦略プロジェクトとして推進した。 環境汚染というリスクを受け入れてでも 外資を呼び込むのだという政府の大義名分は 国内産業を育成すること、現地住民に雇用先を提供すること だった。 ところが、実際は大量の中国人現場作業員が就業し それが現地作業員との紛争の原因にもなっていた。 ”外国人労働者は、高度な技術者だけ”という約束だったはずが、 いつの間にかその人数は、数万人にも上る。 大量の中国人労働者は、どこから入国してくるのか? その謎が、最近になって明らかになった。 この工業団地のすぐ近くに空港があるが、 入管も通関もなしに運営されていたのだ。 このことは、11月末インドネシア国軍がこの空港近くで、 軍事演習を行ったことで明らかになった。 そのときの様子を一部始終を撮影した映像によると、 グリーンのライン、IMIP(工業団地の名前) と書かれた 飛行機が駐泊し、”プライベート空港”と書かれた看板が建っている。 #Bandara Ilegal di Morowali  この飛行機が、企業本社のある中国沿岸部の都市との間を往復し ビザなし、通関なしで、違法に作業員、おそらくは物資も ノーマークで運び...

実はがっつり中国化だったインドネシアの川上化政策

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 北京で習近平国家主席とがっちり握手、次期大統領として迎え入れられたプラボウォ国防相。国防分野で協力し、両国の協力関係を更に強化すると言っているが、国民の側にしてみればこれは全然話が違う。”私は愛国者、国を守る”と選挙の時しきりに強調していたのと全く正反対の言動だ。侵略する意図を持つ国の軍隊と協力するというのは一体どういうことなのか訳が分からない。 少なくとも国民の多くは、これまでインドネシアが中国と友好な関係にあったと思っていない。労働者を大量に送り込み、国内の雇用機会を奪う迷惑な存在だ。雇用拡大経済効果を謳った国家プロジェクトなのに、現地人を差し置いて彼らが大量にやってきて、高い給料をもらって威張っている。コミュニケーションをとろうともしないし、マナーもよくない。カモにされてるのは日本だけじゃない。 パンデミック中、バンドン高速鉄道やニッケル精錬所で働くため外国人が大量に入国していたことは、何度も大きな騒ぎになった。その度に”あれは高度な技術者、国内にはない技術の専門家だ”と説明するルフット投資海洋調整大臣といえば、中国政府の回し者として有名。パンデミック対応予防注射の指揮をとったのも、不要不急のEV車に補助金をねじ込んだのもこの人物。(勿論、大臣自身の個人的なビジネスが関係している)”政府の悪口を言う奴は国から出ていけ”という発言が物議をかもしたこともある、強面のタカ派。 庶民の味方であるジョコウィ大統領が、その正反対のルフット調整大臣をそんなにも信頼し、重要な案件を一任するのかということについて表立った批判はなかった。イメージというのは恐ろしいもので、汚職撲滅委員会の権限を弱体化させる法律も、外国企業に有利な内容が盛り込まれた雇用創出法も、一部学生や労働組合が声をあげていたが、調査によれば、ジョコウィ大統領の支持率にはあまり影響がなかった。 (日本にもかつてこういうタイプの首相がいた、そういえば、目つきや顔つき、息子の愚かさまで、似ている。小泉劇場ならぬ、ジョコウィ劇場だ) ところで、次期大統領は一体いつ確定するかについて、先に話題になっていた国会における不正選挙追及は未だ実現しておらず、憲法裁判所での訴訟の方が先に始まっている。他の大統領候補者二名はそれぞれ憲法裁判所に訴訟を起こし、アニス候補陣営は、出馬登録の時点から違反のあったジョコウィ大統領の...